Access Agilent 2013年4月号

GC & GC/MS 微量分析に最適な Agilent ウルトライナートフローパスソリューション

Ken Lynam
アジレント GC R&D アプリケーションケミスト

食品、環境、法医学などの分野の GC/MS 分析では、しばしばきわめて活性の高い化合物の微量分析が求められます。その場合、注入から検出までの不活性なフローパスがきわめて重要であることは、みなさんもご存じかと思います。今回、新製品の Agilent イナートフローパスソリューションにより、GC分析において完全に不活性なフローパスが実現しました。Agilent イナートフローパスソリューションは、サンプルと接触するすべてのコンポーネントを網羅しています。そのため、サンプル本来の分析結果を確実に得ることができます。余分なものが入り込んだり、フローパス上でサンプルの成分が失われたりすることはありません。

活性の高い複雑なサンプルの分析に欠かせない不活性フローパス

規制当局が検出下限を引き下げ、サンプルの活性や複雑性もますます高くなっていることから、フローパスの活性に起因する吸着を避ける必要性が高まっています。結果の疑わしい分析をやり直したり確認したりすると、貴重なサンプルが無駄になり、生産性が低下します。さらに、サンプルの使用できる期間が短い場合や、サンプル量が限られている場合には、分析できるサンプルが残されておらず、2 度目の分析を実施できない可能性もあります。

また、環境保全、食品品質、違法薬物といった分野では、結果の信頼性が低いと、甚大な影響が生じるおそれがあります。果実、野菜、土壌、生体液などの複雑なマトリックスでの同定や定量がますます困難になっている現状では、サンプルフローパスが分析対象化合物を吸着し、結果に悪影響を与えることのないように、特に注意しなければなりません。

不活性フローパスのニーズに応える完璧なソリューション

Agilent ウルトライナートフローパスソリューションは、Agilent J&W ウルトライナート GC カラム、ウルトライナートライナ、ウルトライナートゴールドシール、UltiMetal Plus (アルティメタルプラス) フレキシブルメタルフェラル、イナートキャピラリフローテクノロジーデバイス、イナート注入口ウェルドメント、ガスクリーンフィルタで構成されています。さらに、GC/MS ユーザー向けに、不活性 MS イオン源も用意しています。これらのコンポーネントが一体となり、信頼性の高い不活性フローパスを実現し、微量分析における感度、精度、再現性を高めます。

  • Agilent J&W ウルトライナート GC カラム – きわめて低いブリードと一貫した高い不活性が得られるように、各カラムが厳密にテストされています。活性化合物を最適な状態で GC または MS 検出器へ送ります。
  • Agilent ウルトライナートライナ – 不活性ガラスウールの有無にかかわらず、表面活性の低さと再現性の高いサンプル気化を確保し、活性化合物分析に対応するクラス最高のフローを実現します。
  • Agilent イナートフローパススプリット/スプリットレス注入口 – 各ウェルドメントの高温になる金属表面が不活性処理され、吸着や分解を防ぎます。
  • Agilent ウルトライナートゴールドシール – 最高のシーリングと不活性表面を兼ね備えているのは、アジレントのゴールドシールだけです。従来の機械加工シールとは異なり、アジレントのゴールド注入口シールは、金属射出成形を用いて製造されています。射出成形後、金めっきによりなめらかで一貫した表面を確保しています。その後、金めっき表面をウルトライナートケミストリで処理することで、リークがなく、かつ活性化合物の吸着も生じないシールを製造しています。
  • Agilent 不活性 MS イオン源 – 精密な設計、材料選択、表面不活性化、厳密なテストにより、分析対象物が質量分析計に到達した際の比類のない感度を確保します。
  • Agilent パージドキャピラリフローユニオン – アジレントのパージド不活性ユニオンを使えば、重マトリックスサンプルに含まれる高沸点化合物のバックフラッシュが可能です。UltiMetal 設計と表面処理により、活性が最小限に抑えられ、サンプルフローパス内の金属部品の汚染が防止されます。
  • Agilent UltiMetal Plus フレキシブルメタルフェラル – 独自の表面不活性化処理を施した、フローパスで活性部位を生じさせない唯一のフェラルです。べスペル/グラファイトフェラルとは異なり、オーブン温度の変化による締め直しの必要は生じません。柔軟性の高い金属設計により、標準的な金属フェラルで生じがちなカラムの破損 (またはリーク) という問題も解消されています。
  • Agilent ガスクリーンフィルタ – キャリアガスラインに Agilent ガスクリーンフィルタを設置すれば、酸素、水分、炭化水素を除去し、フローパスの不活性を効率的に維持することができます。
アーリーメンテナンスフィードバックにより、注入回数や消耗品の使用状況を追跡し、不測のダウンタイムを防止できます。

図 1. Agilent J&W HP-5ms UI GC カラムを用いた、法医学/毒物学確認用標準 (1 成分あたりオンカラム 0.25 ng) の分析結果の重ね表示。SIM メソッドを用いた場合の不活性フローパス注入口と標準フローパス注入口の違いを示しています (詳細はアプリケーションノート 5991-1859EN を参照)。
(図を拡大)

アーリーメンテナンスフィードバックにより、注入回数や消耗品の使用状況を追跡し、不測のダウンタイムを防止できます。
 

分析条件

カラム

Agilent J&W HP-5ms UI、30 m x 0.25 mm、0.25 µm (p/n 19091S-433UI)

オーブン

100 ℃、4 分間保持、10 ℃/min で 100 ~ 280 ℃、6 ℃/min で 280 ~ 300 ℃ (4.67 分間保持)

ガスピュリファイア

ガスクリーン GC/MS、1/8 in キット (p/n CP17974)

キャリアガス

ヘリウム、52.7 cm/s (2 mL/min)、100 ℃ に設定、EPC コンスタントフロー

注入口

パルスドスプリットレス、パルス圧力 35 psi (0.73 分まで)、パージ流量 50 mL/min (0.75 分)、
ガスセーバー流量 20 mL/min (2 分)

注入口ライナ

ウルトライナートライナ、ウール入り (p/n 5190-2293)

ゴールドシール

ウルトライナートゴールドシール (p/n 5190-6144 UI)

シリンジ

ブルーライン、5 µL (p/n G4513-80206)

フェラル

フレキシブルメタルフェラル (注入口) (p/n G3188-27501)

検出器

MSD SIM モード、イオン源温度 300 ℃、四重極温度 150 ℃、トランスファライン310 ℃

図 1. Agilent J&W HP-5ms UI GC カラムを用いた、
法医学/毒物学確認用標準 (1 成分あたりオンカラム 0.25 ng) の分析結果の重ね表示。
SIM メソッドを用いた場合の不活性フローパス注入口と標準フローパス注入口の違いを示しています
(詳細はアプリケーションノート 5991-1859EN を参照)。

検出と定量を向上させる不活性フローパス

図 1 は、不活性フローパスの利点を示しています。同じ Agilent J&W HP-5ms UI GC カラムと Agilent 7890 GC を用いて、不活性フローパスまたは標準フローパスを備えた注入口に乱用薬物を注入しました。標準フローパスを用いた場合、不活性フローパスを用いた場合よりもずっと早く、テマゼパム、ニトラゼパム、クロナゼパムがベースラインに埋もれて見えなくなっています。この結果は、不活性フローパスを使えば、ベンゾジアゼピンの検出と定量が向上することを示しています。

標準フローパスは、不活性ウェルドメントを標準ウェルドメントに、ウルトライナートゴールドシールを標準ゴールドシールに、ウルトライナートライナをウール入り標準シングルテーパーライナに交換したことを除けば、不活性フローパスと同じです。

GC/MS の限界を広げる不活性フローパス

フローパスの不活性は、微量分析には欠かせません。また、GC の最先端をいく技術でもあります。アジレントは、GC 業界をリードする測定機器メーカーとして、サンプルに接触するあらゆる表面の不活性を確保する技術を開発しました。これにより、現代の分析に求められる ppb や ppt レベルの検出下限の実現が可能になっています。

不活性フェラルやゴールドシールを含め、最初から最後まで完全に不活性な GC フローパスを提供しているのは、アジレントだけです。Agilent ウルトライナートフローパスコンポーネントの各ロットは、クロマトグラフィ QC 試験により品質が確認されているため、微量分析において、他のメーカーの製品では実現不可能な究極の信頼性が得られます。フローパス全体で信頼性の高い一貫した不活性が実現します。不活性フローパスに関するアジレントのアプローチの最新情報をチェックし、新しい情報を取得してください。

Agilent ウルトライナートフローパスソリューションをラボに導入しましょう。

カラムからユニオン、フェラル、ガスフィルタまで、アジレントは不活性フローパスの構築に必要な製品を提供し、お客様が信頼性の高い分析結果をいつでも確実に得られるようにしています。Agilent ウルトライナートフローパスソリューションの詳細をご確認ください。