図 1. Agilent 7890B GC のエコフレンドリーな機能 (写真は Agilent 7650A オートサンプラ付き) は、電力などの資源を保護します。
図 2. アーリーメンテナンスフィードバックにより、注入回数や消耗品の使用状況を追跡し、不測のダウンタイムを防止できます。(図を拡大)
図 3.省エネを実現し、貴重な資源を守ります。スリープ/ウェイクモードを使えば、使用していないときにはシステムをスリープモードにして、必要なときだけ動かすことができます。(図を拡大)
ラボ機器の投資収益率 (ROI) を最適化するためには、技術的改良の利点と拡張や交換のコストを常に比較検討する必要があります。考慮すべき要素はいくつかありますが、電力やガス、消耗品の効果的な管理による分析コストの削減は、ROI を最大化するうえで欠かせません[1]。
Agilent 7890B ガスクロマトグラフ (GC) は、統合インテリジェンスにより、リソースの効果的な活用を支援します (図 1 参照)。また、メソッドを最適化し、リソース消費量をさらに削減することも可能です。たとえば、内蔵された計算ツールを使えば、ヘリウムメソッドを、水素や窒素などのより利用しやすい安価なガスに変換することができます。
自動「スリープ/ウェイク」モードによる分析コストの削減
プログラム可能な 7890B GC のスリープモードは、機器が動作していない間の電力およびガス消費量を削減します。一方、ウェイクモードは、測定を開始する前までに、機器の準備を整えます。
図 2 を見れば、7890B GC は、測定スケジュールに応じて、スリープおよびウェイクモードを簡単に設定できることがわかります。シーケンスの初めや終わりに設定することも可能です。また、ウェイクモードの起動後にコンディショニング分析を実施し、サンプル分析のための準備を整えることもできます。
GCとMSD 間のダイレクトコミュニケーション(双方向通信)
7890B GC の大きな利点は、新しい Agilent 5977A シリーズMSD システムと双方向通信できることです。LAN をつうじて、ベント開始時に 5977A(MSD) が 7890B(GC) に情報を伝えると、キャリアガスの流量が増加します。これにより、ベント時間が最大 40 % 短縮されます。
このリアルタイムの双方向通信により、GC/MSシステムを不測の事態から守ることもできます。たとえば、真空ポンプ故障という不測の事態が生じたときには、MSD が GC にシグナルを送り、キャリアガスのフローを遮断します。これにより、高価なヘリウムガスの無駄や、水素ガスの放出拡大を防ぐことができます。また、GC は MSD がしっかり接続されているかどうかも監視し、システムの接続が切れている場合には、GC の各種加熱ゾーンを自動的にシャットダウンします。
消耗品の管理とメソッドの最適化を簡単にする統合インテリジェンス
図 3 は、7890B GC の内蔵するアーリーメンテナンスフィードバック (EMF) 機能に より、Agilent GC および GC/MS データシステムが管理している様子を示しています。EMF を使えば、ルーチンのメンテナンス業務を計画および追跡し、消耗品の使用状況を最適化し、不必要なダウンタイムを回避することができます。その他の生産性機能としては、以下のものがあります。
また、交換用の消耗品や部品を注文する際には、パーツファインダを使えば、部品番号と部品の説明を簡単に確認できます。
Agilent 7890B GC のリソース管理機能の詳細については、アジレントのウェブサイトをご覧ください。
References