キャピラリ電気泳動と質量分析の組み合わせ (CE/MS) は、HPLC/MS の代替策としてきわめて魅力的な手法です。CE/MS は、極性の高い低分子や荷電した低分子など、標準的なクロマトグラフィでは不安定で分析困難なタンパク質や荷電ポリマーなどの高分子の両方を分離することができます。
薬剤研究や創薬といった分野で、抗体などのバイオ物質分析に対するニーズの高まりに伴い、優れた分離効率と感度、選択性に加えて、溶媒やサンプルの消費量が少ないといった CE/MS の利点が注目されるようになっています。
CE/MS の効率を高める新たな技術
先ごろ、CE における Agilent Jet Stream (AJS) サーマルグラジエントフォーカシング技術の利用を可能にするインターフェースに改良が加えられたことで、CE/MS 分析の柔軟性と感度が大幅に高まりました。CE と iFunnel ベースのトリプル四重極または Q-TOF MS を組み合わせることで、5~10 倍も感度が向上しています。iFunnel 設定では、トリプルチューブ ESI スプレーにより、サブ ng/mL 域まで感度が向上しています。同時に、CE および MS のすべてのモードで堅牢性と柔軟性も向上しています。
MassHunter B.05.01 で完全にサポートされたエンドツーエンドのソリューションが登場
これらの開発技術により、単一ベンダー CE/MS ソリューションの提供が可能になりました。このソリューションは、CE および MS のハードウェアと、インターフェース、関連するすべての機器をコントロールする単一の標準ソフトウェアパッケージで構成されています。
このまったく新しいレベルの統合は、Agilent MassHunter MS ソフトウェアを拡張し、Agilent 7100 CE およびメソッドをコントロールできるようにしたことで実現したものです。最新版の MassHunter ソフトウェア (バージョンB.05.01) は、すべての HPLC およびシリーズ 6000 MS 装置と 7100 CE を設定、コントロール、サポートする機能を搭載しています。これにより、自動の無人ルーチン分析が実現します。
また、OpenLAB CDS と旧バージョンの ChemStation で見られる Agilent 7100 CE のおなじみのグラフィカルユーザーインターフェースが MassHunter B.05.01 バージョンソフトウェアに導入されているため、LC/MS から CE/MS への切り替えも、以前よりもずっと迅速かつ簡単です。最新の MassHunter ソフトウェアは、旧バージョンで慣れ親しんだすべての機能やメソッド設定が組み込まれています。この継続性により、簡単でスムーズな移行が可能で、この単一ソフトウェアパッケージの提供する追加機能のすべてを簡単に活用することができます。
図 1. LC/MS の標準採取プログラムに CE が完全に統合された新しい B.05.01 MassHunter ソフトウェアバージョンのスクリーンショット (図を拡大)
図 1 からもわかるように、新しい Agilent MassHunter ソフトウェアバージョンでは、メソッドの使用および切り替えや、分析ラボで用いられるテクニックが拡張され、かつシンプルになっています。
最新の MassHunter バージョン B.05.01 は、Agilent 7100 CE と連結した Agilent 6000 MS シリーズ機器 (トリプル四重極、TOF、QTOF 機器) の CE/MS ソリューションをサポートしています。
ラボの CE/MS を能率化
MassHunter バージョン B.05.01 ソフトウェアは、ラボでの CE/MS 活用や、 CE/MS と LC/MS との切り替えを能率化し、ラボの柔軟性と生産性を高めます。新しい Agilent MassHunter ソフトウェアの最新機能の利点に関する詳細をいますぐご確認ください。