Access Agilent 2012年11月号

N-グリカンサンプルの前処理- インテリジェントに自動化

Rachel Bolger
アジレントマーケティングプログラムマネージャ、AssayMAP
Justin Hyche
ProZyme シニアマネージャ、セールスおよびマーケティング

糖鎖は生物製剤タンパク質の免疫原性、薬効、毒性、薬物動態で重要な役割を果たします。糖鎖のプロファイリングは、生物製剤の重要な品質特性と見なされており、糖鎖プロファイリングの管理状況を示すことが規制面での重要事項となります。アジレントと ProZyme は、数時間で標識化 N-グリカンの分析サンプルを調製できる自動 N-グリカンサンプル前処理ワークフローを開発しました。

数時間で再現性の高い結果が実現

N-グリカン分析の標準的なプロセスは、アッセイ内およびアッセイ間の変動を受けやすく、さらにスループットに制限がありました。このようなメソッドの制約により、分析が可能なサンプルは重要な判断ポイントを代表する少ないサンプルに限られています。バイオシミラーや新たな生物学的エンティティの開発で生じるニーズに対応するためには、データ品質とスループットの向上が必要不可欠です。

ここでは、Agilent AssayMAP サンプル前処理技術と ProZyme GlykoPrep-plus プラットフォームを用いたコラボレーションソリューションにより、ハイスループットのフォーマットで自動的に化学物質の分解、標識、精製をおこなう方法を紹介します。このソリューションを使えば、4 時間程度で標識化グリカンを得られます。CV 値は約 5 % です。

ProZyme の GlykoPrep-plus は、単一ワークフローのモジュラー式プラットフォームです。標準的な HPLC またはキャピラリ電気泳動による分析用に、カートリッジ上での迅速な分解、放出された N-グリカンの蛍光標識、遊離標識の精製・除去を実行できます。

Agilent AssayMAP 技術は自動化とハイスループット化を可能にします。
AssayMAP は最先端の Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform をベースにしています。また、シンプルなユーザーインターフェースを用いているため、ボタンを押すだけでワークフローを実行できます。

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図 1. 数日ではなく数時間で堅牢性と
再現性の高いデータを生成。
(図を拡大)。

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図 1. 数日ではなく数時間で堅牢性と再現性の高いデータを生成

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図 2. 標識 N-グリカンサンプルの
定量的な回収。(図を拡大)

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図 2. 標識 N-グリカンサンプルの定量的な回収

AssayMAP マイクロクロマトグラフィカートリッジのパックドベッドを流れる液体の流速は、デッドボリュームのないプローブシリンジを内蔵したヘッドの容積式液体ハンドリングにより精密に制御されます。流速は吸引モードまたは吐出モードのいずれかで、定量的な結合や溶出、シングルパスでの酵素分解に対応できるゆっくりとした速度に設定することが可能です。回収率はほとんどのアプリケーションで 100 % に達し、HPLC と同等の再現性が得られます (変動係数 5 % 未満)。

再現性の高い直線的なデータ

図 1 は、このソリューションを用いて得られた再現性の高いデータを示しています。データはAssayMAP 用 Agilent Bravo Platform と ProZyme GlykoPrep-plus キットを用いて、ヒト IgG (50 µg/Sample, n=8) から得られた N-グリカンを 2-アミノベンズアミノ (2-AB) で蛍光標識し、遊離色素から分離しました。8 サンプルを同時に処理し、HPLC により分析しました。図 1A では、8 つのクロマトグラムを重ねて表示しています。遊離色素のピークは示されていません。図 1B は、各サンプルの積分した総ピーク面積を示しています (%CV = 4.1)。図 1C は、総ピーク面積に対する各ピークの面積を示しています。

図 2 は、N-グリカンサンプルの定量的な回収率を示しています。
AssayMAP 用 Agilent Bravo Platform で ProZyme GlykoPrep-plus キットを用いて、N-グリカンを 12.5、25、50 µg のヒト IgG (n=2) から分離し、2-AB で蛍光標識し、遊離色素を除去しました。積分した総ピーク面積を測定しました。アッセイで用いたヒト IgG の量を、ロードした各サンプルの平均総ピーク面積に対してプロットしました。この図から、使用した糖タンパク質が 2 倍に増えると、標識 N-グリカンもおよそ 2 倍に増えることがわかります。この結果は、この手法により定量的データが得られることを示しています。

この N-グリカンサンプル前処理ソリューションのおもな特長は、以下のとおりです。

  • 再現性の高いハイスループットフォーマットでの N-グリカンの分解、標識、精製
  • 精密な流速制御の威力を用いたクラス最高の送液機能
  • プッシュボタンでの操作が可能なインタラクティブなユーザーインターフェース

ProZyme の GlykoPrep-plus 試薬ケミストリを用いたアジレントの N-グリカンサンプル前処理ソリューションは、N-グリカンの高速分解、標識、精製を可能にします。このソリューションにより、堅牢性と再現性の高い定量的データが得られます。こちらで N-グリカンサンプル前処理ビデオをご覧いただけます。