Access Agilent 2012年5月号

Poroshell 120 に新しいラインナップが増えました

Jason Link
アジレントプロダクトマネージャ、LC カラム

多くの LC ラボでは、分離をさらに最適化するため、より多くのカラム相が求められています。そうしたニーズを受けて、Agilent Poroshell 120 は先ごろ、Poroshell 120 Phenyl-Hexyl および Poroshell 120 SB-Aq の発売を開始し、全部で5 種類の相にラインナップが拡大されました。

Phenyl-Hexyl は、π-π相互作用を高めることで、特に芳香族化合物で独自の選択性を提供します。SB-Aq は、極性化合物に最適な独自の相で、高水性条件で使用できます。Poroshell 120 では、ラインナップの拡大に伴い、さらに今後数か月で Bonus-RP、SB-C8 などの新しい相が登場します。より広い選択性を提供することで、Agilent ZORBAXカラムと連携した拡張性が期待できます。

Agilent Poroshell 120 のラインナップ拡大により相の選択肢が増え、β遮断薬の混合物などの困難なサンプルでも分離できるようになりました

図 1. Agilent Poroshell 120 のラインナップ拡大により相の選択肢が増え、β遮断薬の混合物などの困難なサンプルでも分離できるようになりました (図を拡大)。

Agilent Poroshell 120 のラインナップ拡大により相の選択肢が増え、β遮断薬の混合物などの困難なサンプルでも分離できるようになりました
  • 10 mM pH 3.8 NH4HCO2, methanol
  • 90% B to 30% B over 12 min
  • 0.35 mL/min
  • All columns 2.1 x 100 mm
  • Detector 260 nm
  1. Atenolol
  2. Pindolol
  3. Naldolol
  4. Metoprolol
  5. Acebutolol
  6. Propranolol
  7. Alprenolol

図 1. Agilent Poroshell 120 のラインナップ拡大により相の選択肢が増え、
β遮断薬の混合物などの困難なサンプルでも分離できるようになりました

Poroshell 120 Bonus-RP は、アルキル-アミド相を採用しており、扱いの難しい化合物の分離に役立ちます。図 1 は、分析困難なβ遮断薬において、異なる選択性によりさまざまな分離結果が得られることを示しています。C18 およびフェニル-ヘキシル相では、ナドロール異性体はスプリットピークとして現れていますが、Bonus-RP では、この分析において全体的に最高のピーク形状が得られています。

Poroshell 120: 独特のテクノロジーを持つ堅牢なカラム

Agilent Poroshell 120は、市場の他の表面多孔性カラムとは製造方法から大きく異なっています。Agilent Poroshell 120 カラム以外のすべての表面多孔性カラムでは、なんらかの形のマルチレイヤーテクニックにより粒子が製造されています。アジレントは、特許を取得した独自のプロセスにより、Poroshell 120 カラムを製造しています [1]。これにより、Poroshell 120 カラムでは再現性と堅牢性が向上しています。Poroshell 120 カラムを使ったお客様からは、他の表面多孔性カラムよりも堅牢で信頼性が高いというフィードバックをいただいています。

表面多孔性粒子の開発

アジレントはまず、1990 年代に現在でも多く使用されている5 µmカラムにおいて、表面多孔性粒子を開発し、2001 年に Poroshell 300 として発売しました。Agilent Poroshell 300 は、生体分子分離に適したポアサイズの大きな粒子で、表面多孔性粒子により、多孔性層を出入りする拡散が最小限に抑えられます。これにより、大型分子の質量移動が向上し、高分離能で分離を高速化することが可能になりました。

Poroshell 120 粒子の表面多孔性外層は、優れた分離能と低い背圧を実現します。

図 2. Poroshell 120 粒子の表面多孔性外層は、優れた分離能と低い背圧を実現します。

Poroshell 300 粒子の製造には、マルチレイヤーテクニックが用いられています。このテクニックでは、静電沈着により、シリカ製コアをコロイド状のシリカ粒子で繰り返しコーティングし、任意の厚さの多孔性外殻を作成します。このテクニックでは、多くの層が年輪のように外殻を構成し、木の幹に似た粒子ができあがります。アジレントでは、Poroshell 300 のマルチレイヤープロセスを洗練および改良し、現在のような信頼性の高いテクニックを生み出しました。

より簡単なプロセスの追求

2009 年、各メーカーが他の種類のマルチレイヤーテクニックを用いた表面多孔性カラムを発売する一方で、アジレントの研究開発チームは、表面多孔性粒子の製造プロセスの改良に取り組んでいました。その目標は、製造 (コーティング) 手順を減らし、粒子の一貫性を高めることにありました。アジレントの開発作業では、液滴形成技術を用いて、1 回のコーティング手順で硬質シリカ製コアにコロイド状シリカの厚い層を沈着させるプロセスに重点が置かれていました。

液滴形成は、昔から全多孔性 ZORBAX シリカ粒子で用いられてきたものと同じテクニックです。多くのアプローチを開発およびテストした結果、アジレントのR&Dサイエンティスト Wu Chen が、1 回の合成手順で多孔性外層を製造する方法を突きとめました。その結果として生まれたのが、高効率低分子分析用の表面多孔性粒子です (図 2)。アジレントは 2010 年、この単一手順の液滴形成プロセスに関する特許を取得しました。

クロマトグラフィにおける利点は?

LC メソッドの生産性を高めたい場合、表面多孔性粒子を活用すれば、分離能を高め、背圧を低く抑えることが可能です。クロマトグラフィでは、選択性のほか、いくつかの主要パラメータを検討し、表面多孔性カラムを評価する必要があります。まず、カラムの購入から 1 年後にも同じ結果を得られるかという点です。2 つ目は、堅牢で高い性能を備えた、寿命の長いカラムかという点です。

4  種類の異なるロットの Poroshell 120 粒子を用いた飲料添加物の分析では、カラム性能の一貫性が実証されています

図 3. 4 種類の異なるロットの Poroshell 120 粒子を用いた飲料添加物の分析では、カラム性能の一貫性が実証されています (図を拡大)。

4  種類の異なるロットの Poroshell 120 粒子を用いた飲料添加物の分析では、カラム性能の一貫性が実証されています

図 3. 4 種類の異なるロットの Poroshell 120 粒子を用いた飲料添加物の分析では、
カラム性能の一貫性が実証されています

Poroshell 120 が発売されてからの 2 年間で、このカラムが他の表面多孔性カラムよりも「堅牢」だというコメントがしばしば寄せられています。また、Poroshell 120 は、再現性の高さでも他の表面多孔性カラムよりも優れています。あるクロマトグラフィ分析者からは、Poroshell 120 の一貫したカラム性能により、ラボのアプリケーションの変動性を克服できたことで、より堅牢なメソッドの開発が可能になったという声が寄せられています。

LC メソッドの堅牢性を高めるために、一貫したカラム性能 (図 3) が必要なら、Agilent Poroshell 120 カラムの導入をご検討ください。拡大された Poroshell 製品ラインナップの詳細については、アジレントの Web ページをご覧ください。

Reference

  1. US Patent # 7,846,337 B2. Dec. 7, 2010