Access Agilent 2012年5月号

優れた性能と再現性を実現するアジレントのパックド GC カラム

Laura Provoost
アジレントプロダクトマネージャ、GCカラム

Agilent J&W パックドGC カラムは、炭化水素プラント、エネルギー、燃料および化学分析など、シンプルな分析と堅牢なカラムが必要とされるあらゆる場面で、優れた性能と再現性を実現します。

信頼性の歴史

パックドカラムには長い歴史がありますが、その長い歴史にもかかわらず、使いやすさ、経済性、高サンプルキャパシティ、堅牢性という点で、キャピラリカラムと比べて現在でも多くのメリットがあります。パックドカラムは、高分離能よりも堅牢性と再現性が重要となる分析に適しています。特に、プロセス関連の分析では、パックドカラムの堅牢性と柔軟性が大きな利点となります。 Agilent 490 マイクロ GC で使用できる特別な仕様も提供されているため、製油所や工場のあらゆる場所でのサンプリングで使用することが可能です。

パックドカラムのおもなユーザー

パックドカラムは、以下のような炭化水素処理や化学業界の分野で広く使用されています。

  • プロセス分析
  • ガス、CO、CO2、PIONA、製油所ガスなどのラボベースの分析
  • TCEP、DC-200、SE-30、OV-1 などの ASTM、IP、ISO、UOP メソッド
  • ガス、揮発性化合物、HayeSep、Carboxen の分析
  • 天然ガスモジュール用のマイクロ GC 用マイクロパックドカラム
  • 炭化水素処理工場、特に防爆分野

プロセス分析の環境では、非常に堅牢で効率的な GC カラムが求められます。そのため、パックドカラムと比較すると壊れやすいキャピラリカラムよりも、パックドカラムのほうが適しているのです。

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図 1. アジレント製パックドカラムの外観。

パックドカラムの構造

多くの場合、パックドカラムはキャピラリカラムよりも短く、0.2~15 m の範囲内です。内径は最大 4 mm です。パックドカラムで用いられるチューブ材質は、ほとんどの場合、ステンレス、ガラス、PTFEです。アジレントでは、UltiMetal 製のカラムも提供しています。これは、ピークテーリングの小さいシャープなピーク形状が得られるように特殊処理されたステンレスで、データ精度が向上するという利点があります。チューブ材質は、アプリケーションに応じて選択されます (図 1)。ただし、ガラスを除き、すべての材質には屈曲性があります。そのため、アジレント製のパックドカラムはアジレント製GCにフィットする形状になっていますが、アジレント製以外の GC にフィットするように曲げることも可能です。

パックドカラムのチューブには、表 1に示すように、コーティング済充てん剤または多孔性の充てん剤が充てんされています。コーティング済充てん剤では、硬質な充てん剤の外側が、液相の層で覆われています。この液相が分離を担っています。パックドカラムフォーマットでは、DB-5 などのほとんどのキャピラリ液相を使用できますが、多くの場合、名称が異なっています。カラム中の液相量は、パーセンテージで表示されます。

パックドカラムの充てん剤は、多孔質ポリマー (気体またはその他の低分子量化合物用)、多孔質カーボン (軽質炭化水素などのきわめて分子量の小さい化合物用)、ゼオライト製モレキュラー子シーブ (O2、N2、H2 などの永久ガス用) が用いられています。多孔質充てん剤を液相でコーティングすることも可能です。

特性

説明

長さ

0.2~15 m

内径

0.5~4 mm

チューブ材質
(アプリケーションによって異なる)

ステンレス、UltiMetal、ガラス、ニッケル、銅、テフロン

コーティング充てん剤

不活性な硬質支持材、
液体固定相でコーティング (OV-1, SE-30、Carbowax 20M、FFAP など)

多孔質充てん剤

多孔質ポリマー (Porapak Q、N、HayeSep Q、R、S など)
多孔質カーボン (Carboxen、Carbosieve、Carbotrap)

表 1. パックドカラムの特徴

パックドカラムのおもな利点

パックドカラムは、屈曲性があって破損しにくいことに加えて、スペースが制限されている複雑なアナライザにも適しています。カラムの取り付けや交換はきわめて簡単で、真鍮またはステンレスナットおよびフェラルが用いられます。

パックドカラムは高流速に対応でき、テーリングが生じにくいという特性があります。また、5 mL 以上という高サンプルロード量にも耐えられます。ppm レベルのガス不純物の微量分析は、直接注入、オンカラム、シリンジ、ガスサンプリングバルブを用いた簡単なサンプル導入により、直接的におこなうことができます。さらに、カラム構成は過去および現在のあらゆる主要 GC ブランドに対応しています。

パックドカラムとキャピラリカラムの比較

表 2表3 では、パックドカラムとキャピラリカラムを比較しています。1000 を超える相/寸法の組み合わせを提供しているアジレントの幅広い GC カラムランナップなら、ニーズにぴったり合うカラムを選ぶことができます。パックドカラムで用いられる相にはなじみがないかもしれませんので、表 4 に対応する相の一部をまとめています。

カラムの種類

寸法

効率

スピード

キャパシティ

使いやすさ

ナローボア、薄膜

30 m x 0.25 mm x 0.25 µm

++

++

--

-

ナローボア、厚膜

30 m x 0.32 mm x 0.5 µm

+

+

-

-

メガボア

30 m x 0.53 mm x 1 µm

+/-

+/-

+

+

パックド、低 %

1 m x 1/8 in、3 %

-

+/-

+

++

パックド、高 %

1 m x 1/8 in、25 %

--

--

++

++

表 2. カラムの動作パラメータ

ロード性能

長さ

流速

パックドカラム
ロード量 (%)

メガボアカラム
膜厚 (µm)

パックドカラム

メガボアカラム

パックドカラム
2 m x 2.1 mm

ワイドボアカラム
15 m x 0.53 mm

1~5

1.0

2 m x 2.1 mm

15 m x 0.53 mm

12~20 mL/min He

8~10 mL/min He

5~10

2.0

4 m x 2.1 mm

30 m x 0.53 mm

 

 

10~30

5.0

 

 

 

 

表 3. カラムの特性

アジレント製パックドカラム

アジレント製メガボアカラム

SE-30、DC-200、OV-101

VF-1ms、CP-Sil 5 CB、DB-1、HP-1

SE-52、SE-54、DC-200

VF-5ms、CP-Sil 8 CB、DB-5、HP-5

OV-17

VF-17ms、DB-17

OV-1701

VF-1701ms、CP-Sil 19 CB、DB-1701

Carbowax 20M

VF-WAXms、CP-Wax 52 CB、DB-WAX

MolSieve 5Å

MolSieve 5Å

Porapak Q、HayeSep Q

PoraPLOT Q

Porapak N、T
HayeSep N、T、C

PoraPLOT U

表 4. 対応する相

パックドカラムの注文

パックドカラムは数多くの仕様が提供されているため、注文をするまえに、必要なカラムの種類に関する情報を集めることが大切です。たとえば、長さ、外径、内径、チューブ材質 (ガラスの場合、GC モデル名、注入口/検出器の種類)、コーティング充てん剤の種類 (液相とロードパーセンテージ)、充てん材の種類、メッシュサイズと処理方法、コンディショニングとテスト (あり/なし)、ナットとフェラルの種類などを把握する必要があります。アジレントのパックドカラムは、ほとんどの一般的な構成に対応しています。記載されていない構成が必要な場合は、カスタムカラムの注文プロセスをご利用ください。

Agilent J&W パックドGC カラム選択ガイドを無料でダウンロードすることもできます。このガイドは、パックドカラムの多くの利点に関する詳細を知るにはぴったりです。部品番号のリストに加えて、製品の概略図、説明、お客様の仕様に応じたパックド GC カラムを注文する際の詳細な説明が記載されています。毎回の注文の際に、分析ニーズにぴったり合ったカラムを手に入れるために必要なあらゆる情報が提供されています。