Access Agilent 2012年2月号

高温分析用の高性能ヘッドスペースセプタム

Limian Zhao
アジレント GC アプリケーションケミスト

Melanie Rothermich、寄稿
アジレントプロダクトマネージャ

GCを用いた一般的なアプリケーションの1つに、ヘッドスペースサンプラと組み合わせたガスクロマトグラフィにより、複雑なサンプルマトリクス中に存在する揮発性化合物の定量および定性データを採取するという技術があります。そして現在、ヘッドスペース GC の最新アプリケーションでは、ますます高いオーブン温度が求められるようになっており、300℃ もの高温も一般的になりつつあります。その理由は、高温にすれば、幅広い揮発性化合物をマトリクスから放出させることができるためです。そうすれば、より多くの定性情報が得られ、定量分析の範囲も広がります。

高温での分析には、落とし穴もあります。特に重要なのが、注入口セプタムです。サンプルの分解やセプタムによる汚染を生じさせずに、そうした高温に耐えなければならないからです。

古いセプタムと新しい分析 – 融合できない組み合わせ

ヘッドスペース分析では、PTFE/シリコンベースのバイアルセプタムが広く用いられていますが、この種のセプタムは高温になると一連のシロキサンを放出するため、200℃ を超える条件での使用は推奨されません。温度が高くなると、シロキサンピークの強度も高くなり、ついには揮発性化合物の妨害ピークになります。このシロキサンピークは、とりわけ定性分析や半定量分析において、高温ヘッドスペース分析の信頼性と効率を大きく損ねます。

複数のPTFE/シリコンヘッドスペースセプタムと Agilent 高性能セプタムを用いたバイアルブランクの GC/MS クロマトグラムの比較。バイアルを 300 °C で 30 分間平衡させました。高性能セプタムでは、汚染のないクロマトグラムが得られています

図 1. 複数のPTFE/シリコンヘッドスペースセプタムと Agilent 高性能セプタムを用いたバイアルブランクの GC/MS クロマトグラムの比較。バイアルを 300℃ で 30 分間平衡させました。高性能セプタムでは、汚染のないクロマトグラムが得られています (図を拡大)。

複数のPTFE/シリコンヘッドスペースセプタムと Agilent 高性能セプタムを用いたバイアルブランクの GC/MS クロマトグラムの比較。バイアルを 300 °C で 30 分間平衡させました。高性能セプタムでは、汚染のないクロマトグラムが得られています

図 1. 複数のPTFE/シリコンヘッドスペースセプタムと Agilent 高性能セプタムを用いた
バイアルブランクの GC/MS クロマトグラムの比較。
バイアルを 300℃ で 30 分間平衡させました。
高性能セプタムでは、汚染のないクロマトグラムが得られています

Agilent 高性能セプタムでは、高温ヘッドスペース分析において、きわめてクリーンなブランクバックグラウンドが得られています。拡大図でも、新しいセプタムを用いた  300 °C のバイアルブランククロマトグラムでは、きわめて濃度の低いシロキサンピークがごくわずかしか観察されていません

図 2. Agilent 高性能セプタムでは、高温ヘッドスペース分析において、きわめてクリーンなブランクバックグラウンドが得られています。拡大図でも、新しいセプタムを用いた 300℃ のバイアルブランククロマトグラムでは、きわめて濃度の低いシロキサンピークがごくわずかしか観察されていません (図を拡大)。

Agilent 高性能セプタムでは、高温ヘッドスペース分析において、きわめてクリーンなブランクバックグラウンドが得られています。拡大図でも、新しいセプタムを用いた  300 °C のバイアルブランククロマトグラムでは、きわめて濃度の低いシロキサンピークがごくわずかしか観察されていません

図 2. Agilent 高性能セプタムでは、高温ヘッドスペース分析において、
きわめてクリーンなブランクバックグラウンドが得られています。
拡大図でも、新しいセプタムを用いた 300℃ のバイアルブランククロマトグラムでは、
きわめて濃度の低いシロキサンピークがごくわずかしか観察されていません

新しいセプタム – 新しいアプリケーションに最適な選択肢

アジレントは先ごろ、新しいヘッドスペース用高性能セプタムを発売し、高温でのセプタム汚染という問題を直接的に解消しました。このセプタムは、きわめて堅牢な PTFEC で裏打ちされた独自の材料で製造されたものです。この新しいセプタムでは、材料から浸出するシロキサンの量が大幅に低減し、優れた化学的適合性も得られます。きわめて厳しい動作条件におけるバックグラウンドが劇的に減少するため、ヘッドスペース分析の信頼性と効率を向上させるためには最適な選択肢といえます。

図 1 では、高性能セプタムと他社製のセプタムを比較しています。新セプタムでは、汚染ンのないクリーンなクロマトグラムが得られていることが明らかに見てとれます。図 2 は拡大図です。これらの図からわかるように、Agilent 高性能セプタムでは、300 ℃ の条件下で業界最高のクロマトグラフィ純度が得られます。

クリーン、リークフリー、優れた適合性

Agilent 高性能セプタムは、スチール製クリンプキャップまたはスクリューキャップで提供されています。いずれも、高温および高圧でリークが生じないことが保証されています。クリンプキャップでは、Agilentオートクリンパ使う必要があります。これらのセプタムは、水、トルエン、DMF、DMSO、DMI、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、10 % 酢酸水といった一般的なすべてのヘッドスペース溶媒に対応しています。

これらのセプタムは、炭化水素、ポリオレフィン、残留溶媒の高沸点混合物を扱う分析に適しています。高性能セプタムなら、サンプルのヘッドスペースに侵入する汚染物質の量を大幅に低減し、定性および定量データの精度と信頼性を向上させることができます。

最初から最後まで不活性を維持

GC 測定の最大手企業であるアジレントは、セプタム以外にも、サンプルと接触する注入口シールやライナ O リングといった重要な消耗品に不活性な素材を使用しています。アジレントの目標は、現在の分析で求められる ppt 検出レベルを一貫して実現できるようにすることです。Agilent 高性能セプタムやその他のウルトライナートソリューションの詳細をいますぐご確認ください。