Access Agilent 2011年10月号

10 種類を超える ZORBAX RRHD 充填剤の幅広いラインナップの利点

Anne Mack
アジレント LC アプリケーションケミスト

UHPLC 技術の進歩により LC メソッドの開発が迅速になり、分析結果の向上につながっています。今日の UHPLC 機器は、従来の HPLC 機器よりも高い耐圧を持ち、最大 1200 bar の圧力での使用が可能です。この高いシステム耐圧により、長いカラムを使用して分離能を上げることで、または速い流速を使用してスループットを上げることで、2 µm 未満の粒子を使用した高効率カラムを最大限に活用することができます。

現在、Agilent ZORBAX ラピッドレゾリューション High Definition (RRHD) カラムに HILIC およびワイドポア 300Å C18を含む 10 種類を超える相がラインナップされたため、超高圧 (>600 bar) での分析が必要な機器のユーザーは、これまでにない幅広いカラム選択をすることが可能です。

2 µm 未満のアジレント RRHD カラムが最大で 1200 bar まで安定して動作するようになったのは、充てん技術の向上によるものです。RRHDには多くの固定相があるため、低分子や生体分子の分離の幅広いニーズに応えます。

図 1. 異なる選択性を持つ 4 種類の C18 から、内在性カンナビノイド関連の分離を最適化するものを選択 (図を拡大)

図 1. 異なる選択性を持つ 4 種類の C18 から、内在性カンナビノイド関連の分離を最適化するものを選択

それぞれが独自の特性を持つ C18 相

C18 は最も広く利用されている HPLC カラム相です。幅広いアプリケーションに適しており、さまざまな HPLC 分離に対応します。ただし、独自の結合特性により、同じC18 相でも大きな選択性の違いがあります。

たとえば、アジレントの Eclipse Plus C18、Eclipse XDB-C18、Extend C18、および StableBond SB-C18 カラムは、いずれも 1.8 µm ZORBAX Rx-SIL シリカに基づくものですが、RRHD C18 結合相はわずかに異なります。これを図 1 に示します。シリカは、4 つの中で最も不活性度の高い Eclipse Plus C18 カラムでピーク形状が向上するように修飾されています。StableBond C18 はエンドキャップ処理が施されていないため、表面にシラノール基があり、このために選択性が変化することがあります。また、Eclipse XDB と Extend は結合のタイプが異なります。

この内在性カンナビノイド関連の分離を最適化すると、Eclipse Plus C18 は 5 つのすべてのピークについて必要最小限の分離を提供します。このアプリケーションの詳細については、アジレントの資料 5990-7166EN をご覧ください。

図 2. PAH 分析専用の独自の固定相 (図を拡大)

図 2. PAH 分析専用の独自の固定相

C18 を超える、さまざまな選択性を持つ多様な結合相

多くの分離は C18 以外の結合相の選択により最適化されます。ZORBAX RRHD カラムファミリが、PAH 分析用固定相など、他の多くのオプションを提供している理由がそこにあります (図 2)。

これらのカラムは幾何異性体の分離が必要なアプリケーションに適しており、予想される動作条件下で最大の再現性が得られることが PAH を使用して明確にテストされています。グラジエント時間は、それぞれの圧力限界が 1200 bar の Eclipse PAH カラムと Agilent 1290 Infinity UHPLC を使用してすばやくスクリーニングできます。18 種類のすべての PAH 化合物についてベースライン分離を達成するには (最小分離能は 2)、5 分または 10 分のグラジエント時間を考慮する必要があります。600 bar の圧力限界内で 2 µm 未満のカラムを使用して実行するこのようなグラジエントスキャンには、約 1020 bar の最大圧力で実行したこのスクリーニングの約 2 倍の時間が掛かります。大きい粒子や短いカラムは 600 bar の範囲内と見なされますが、このような高速の流量とグラジエント時間で実行すると、分離能が失われることがあります。このアプリケーションの詳細については、アジレントの資料 5990-8432EN をご覧ください。

その他の相の能力を示すために、ZORBAX RRHD Phenyl-Hexyl、ZORBAX RRHD StableBond SB-Aq、および ZORBAX RRHD StableBond SB-Phenyl カラムを Eclipse Plus C18カラム に加えて使用し、ブルーベリー抽出物でアントシアニンをスクリーニングしました。図 3 に、MS スキャンと、ここで得られたさまざまな選択性を示します。ここから、Phenyl-Hexyl カラムが、この図に示す他の 3 つの相よりもブリーベリー抽出物から多くのアントシアニンを分離することが明らかになりました。また、LC/MS によって分離されたアントシアニンのすべてのピークを図 4 に示します。アントシアニン化合物は、特にメタノール移動相との π-π 相互作用によってフェニルカラムと相互作用を引き起こす多くの二重結合を持っています。これらの π-π 相互作用は、アルキル分離を左右する疎水相互作用ほど強力ではなく、多くの場合に、高い関連性のある共役化合物の分離において、多少の選択性のメリットをもたらすことができます。さらに、SB-Phenyl は、表面に曝されたシラノール基とフェニル特性により、最も多様な溶出の順序を示します。このアプリケーションの詳細については、アジレントの資料 5990-8470EN をご覧ください。

図 3. 2 つのフェニル基を含むさまざまな固定相を使用したブルーベリー抽出物のアントシアニンのスクリーニング (図を拡大)

図 3. 2 つのフェニル基を含むさまざまな固定相を使用した
ブルーベリー抽出物のアントシアニンのスクリーニング。

 

Eclipse
Plus C18

Eclipse Plus
Phenyl-Hexyl

StableBond
SB-Aq

StableBond
SB-Phenyl

シアニジン、
m/z 286

11

13

10

10

ペオニジン、
m/z 300

9

8

9

10

デルフィニジン、
m/z 302

12

13

12

11

ペツニジン、
m/z 316

9

12

9

9

マルビジン、
m/z 330

6

6

6

6

分離された
ピークの総数

47

52

46

46

表 1. ブルーベリー抽出物でアントシアンをスクリーニングした結果 MS により分離されたピーク

300Å SB-C18 を使用したトリプシン分解 mAb および BSA の高圧分離

図 4. 300Å SB-C18 を使用したトリプシン分解 mAb および BSA (図を拡大)

図 4. 300Å SB-C18 を使用したトリプシン分解 mAb および BSA。

図 5. ZORBAX RRHD HILIC Plus による EPA 1694 の分離 (図を拡大)

図 5. ZORBAX RRHD HILIC Plus による EPA 1694 の分離。

図 4 に示す 300SB-C18 カラムなどのワイドポアカラムは、タンパク質分解物の分析に適しています。ポアサイズが大きいために高分子が結合相に完全にアクセスでき、効率的な分離が可能になります。この SB-C18 固定相は、これらのタイプの分析に一般に使用される TFA などの低 pH 条件下でも非常に堅牢です。高圧カラムを使用すると、2.1 x 100 mm カラムで流量を 1 mL/min まで上げることができます。この結果、低 pH での高効率、高スループットメソッドが実現します。この分析の詳細については、アプリケーションノート 5990-8244EN をご覧ください。

小さい極性対象化合物に理想的な HILIC カラム

Agilent ZORBAX RRHD HILIC Plus カラムは、図 5 に示す EPA-1694 のグループ 4 の対象化合物のように小さい極性対象化合物に使用できます。この分析は、通常は0.25 mL/min で実行されますが、1200 bar でも安定したこの RRHD HILIC カラムは 1 mL/min での分析が可能です。この結果、960 bar の最大圧力になりますが、分析時間が 75% 短縮されます。この未結合シリカは Eclipse Plus シリカに基づくものであるため、ここに示す 4 つの化合物からわかるようにピーク形状が優れています (図 5)。このアプリケーションの詳細については、アジレントの資料 5990-8433EN をご覧ください。

幅広い選択により実現する高速で効率の高い結果

圧力限界が上がると、流量が大幅に増やせるためスループットが上がり、さらに長いカラムの使用が可能になるためカラム効率と分離能を向上させることができます。この図からわかる広範囲の分離は、1200 bar に対応する 2 µm 未満のさまざまなカラムによって柔軟性が得られることを示しています。

さまざまな種類の結合相からの選択は、メソッド開発を容易にするためのパワフルな方法であることがわかりました。これが、アジレントが次の相を提供している理由です。

  • 結合相の組成がわずかに異なる 4 種類の C18 相
  • PAH の分析専用に設計された独自の ZORBAX PAH 相
  • π-π 相互作用による共役サンプルの選択性に対応するフェニルカラム
  • 優れたピーク形状で小さい極性対象化合物を保持し、分離する HILIC Plus カラム
  • 低 pH で高分子を迅速に分離する 300Å、ワイドポアカラム

適切な固定相を選択することによって分析結果を大幅に向上できます。この記事で概要を説明したアプリケーションをご確認になり、今すぐ ZORBAX RRHD カラムファミリの詳細情報をご覧ください。