Access Agilent 2011年1月号

GPC テクノロジー: アジレントが提供する包括的な Polymer Labs/Varian 製品

Greg Saunders
Agilent GPC/SEC 消耗品マネージャ

ゲル浸透クロマトグラフィ (GPC) は、サイズ排除クロマトグラフィ (SEC) とも呼ばれ、溶液中の高分子のサイズに基づく分離手法です。液体クロマトグラフィの技術である GPC/SEC は分子ふるいに適した不溶性多孔性ビーズを充てんしたカラムを使用します。この技術は、移動相と充填剤の細孔でサイズの異なるサンプルコンポーネントを分割することで分離を実現します。

図 1.4 つの異なるグレードのフェノール樹脂の GPC クロマトグラムの重ね書きは、各サンプルが独自のものであることを示しています(図を拡大)) 。
図 2. 4 つのフェノール樹脂の分子量分布の重ね書きは、物理的特性と関連付けることができる明確な差を示しています(図を拡大)。

ポリマーの特性解析に理想的

GPC/SEC の最大の利点は、溶液中の高分子のサイズが多くの重要な特性と関連していることです。例えば、GPC/SEC で最もよく分析されるポリマーの場合、サイズを分子量に直接関連付けることができます (サンプル中に含まれているポリマー鎖の長さと分布)。分子量分布は、溶融粘度、堅牢性、機械的強度といったプラスチックの物理的特性の多くに影響しています。ポリマー物質を調べる際には、多くの場合 GPC/SEC 分析を最初に実施します。

図 1 図 2 は、GPC 分析およびその結果得られた分子量情報の例を示しています。この分析では、Cirrus GPC ソフトウェアを使用して、リテンションタイムデータと検量線から直接分子量分布チャートを生成しています。

信頼できるカラムと標準試料

アジレントは、最近 Varian を買収したことで、GPC/SEC における世界でも有数のトップ企業の一つになっています。Varian は 2005 年に、素晴らしい技術の経歴を持つ Polymer Laboratories (PL) を取得しました。PL は、1976 年に設立され、GPC/SEC のカラムと標準試料の開発に重点を置いていました。PL は、PLgel、PL aquagel-OH、PlusPore、PLgel Olexis、PolarGel など市場をリードする製品を多く開発しました。高度な製造技術を基に開発された、Polymer Laboratories の製品はその品質と性能で高い評価を得ています。この会社は後に、GPC/SEC に特化した機器とソフトウェアを開発しました。

Varian を買収したことで、アジレントは、幅広い GPC/SEC カラム剤を提供できるようになりました。その 1 つが有機溶媒の GPC 分析用のスチレン/ジビニルベンゼン充てん剤である PLgel です。この充てん剤は堅牢かつ信頼性が高く、高温や低温でも GPC 分離が可能なため、あらゆる極性の溶媒で使用できます。PLgel は、個別のポアサイズと MIXED フォーマット (広範囲の較正曲線) で提供されるため、有機 GPC の主要充てん剤となっています。ポア容積の大きい高分解能カラムである PlusPore によって有効に利用することが出来るようになります。

PL aquagel-OH カラムは、添加剤として 50 % までのメタノールを含有する緩衝液と水で使用するように設計されています。個別のポアサイズおよび MIXED フォーマットの両方で提供される PL aquagel-OH カラムは、生体分子と合成物質の水性 SEC 用の主要なソリューションになっています。水と有機物の混合物といった極性の高い溶媒中の極性サンプルの分析では、PLgel や PL aquagel-OH の使用が難しくなりますが、このような分析アプリケーション向けに設計されているのが PolarGel カラムです。これらのカラムの製品ラインは、特定のアプリケーション用に設計された PLgel Olexis、PL HFIPgel、低粒子脱粒 PLgel カラムなどの専用カラムで利用することが利用できるようになりました。

現在、アジレントはカラム製品の範囲を補うために、さまざまな標準試料を、EasiVials や EasiCals、個別の標準試料、標準試料キットなどで提供しています。また、カラムと標準試料を組み合わせて、GPC/SEC アプリケーションの完全な消耗品ソリューションとして提供しています。

優れた GPC の結果を得るための専用機器

現在、アジレントは、消耗品に加えて、GPC/SPE 用の一連の機器を提供しています。Agilent 1260 Infinity GPC-SEC 分析システムは、従来の GPC に理想的です。その他のすべての機器は、GPC/SEC で使用する専用の検出器であるデュアルアングル光散乱粘度計に対応するように設計されています。これらの検出器によって、溶液中のポリマーの反応を詳細に観察することが可能になり、キャリブレーションで用いる標準試料に左右されることなく、正確な分子量を提供します (光散乱の場合は、カラムのキャリブレーションは必要ありません)。

これらの検出器が組み込まれた装置には、以下のものがあります。

  • PL-GPC 50 Plus - 統合低温 GPC 装置で 50 ℃ までの GPC に対応する専用の完全なシステム

  • PL-GPC 220 - ポリオレフィンなどの低溶解性物質の分析のために 220 ℃ までの温度で動作可能

  • 390-MDS - あらゆる LC システムに接続し、強力な GPC/SEC ソリューションを作成可能

これらの機器には、多検出器計算が可能な強力な GPC/SEC ソフトウェアである Cirrus が付属しています。

この製品ラインと元の PL サポートチームが加わったことで、アジレントは GPC/SEC のトップ企業になり、あらゆる GPC/SEC アプリケーション向けのソリューションを提供することが可能になりました。アジレントは、お客様の将来の分析ニーズに対応できるように全力で GPC/SEC に取り組んでいます。