Access Agilent 2010年8月号

次世代シーケンシング: ワークフローの自動化に向けた考慮点

Marc Beban、PhD
Director, Integrated Systems and Software Marketing
アジレント自動化ソリューション

次世代シーケンシング (NGS) は、効率的に全ゲノムをシーケンシングできる革新的な手法ですが、一般的な NGS ワークフローでは、それほど革新的ではありません。というのも、多数の手動での操作や、コスト、スループット、データのばらつきといった問題が伴うためです。特にサンプルの前処理やデータ解析などでは極めて時間がかかり、エラーの可能性も大きくなります。

こうした問題の多くは、操作を自動化することにより解決することができます。また、自動化によりサンプル間のばらつきを低減することができ、精度も高まります。しかしながら、各々の NGS ワークフローに適した自動化機器を選ぶのは、複雑なプロセスです。最適なかたちでラボを自動化するためには、以下の点を考慮したうえで判断を下す必要があります:

  • 自動化により、プロセスにどのような影響が出るのか
  • 自動化の選択肢にはどのようなものがあるのか
  • どれくらいのトレーニングが必要になるのか
  • 自動化ソリューションを将来のニーズに応じて拡張できるのか

 

自動化により、NGS プロセスにどのような影響が出るのか

図 1. 一般的な NGS ワークフローには多くの手順が含まれていますが、自動化により、スループットと結果の信頼性を高めることができます。

自動化のおもな利点は、ルーチン操作のスピードと精度の向上です。世界を代表するゲノム研究組織である Broad Institute が、その良い例です。Broad Institute は、3 社の自動分注システムを検証した結果、Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform を選びました。Broad Institute では、「ターゲットの濃縮」のステップにおける自動化ワークフローを採用することで、シーケンサ1台あたりの実験数が年間 1000 件から 1 万件以上にまで増加しました。さらに、以下のような効果がありました:

  • サンプル処理時間の短縮
  • サンプル間でのばらつきの低減
  • 手動と比較した場合の収率の向上
  • 技術者 1 人あたりのキャパシティが 12 サンプルから 96 サンプルに増加

 

自動化の選択肢にはどのようなものがあるのか

自動化すべきものを正確に決める際には、ラボのワークフロー全体を考慮します。さまざまなスループットのニーズに応える幅広い自動化ソリューションがあります。たとえば、アジレントでは図 2 に示すように、Bravo Automated Liquid Handling Platform のようなベンチトップシステムから、よりパワフルな BenchCel Microplate Handling Workstation、独立型の BioCel Automation System まで、あらゆるシステムを提供しています。

A) Bravo Automated Liquid Handling Platform B) BenchCel Microplate Handling Workstation C) BioCel Automation System
図 2. アジレントは、ベンチトップ機器から独立型のシステムまで、お客様の NGS ワークフローを自動化する多くのソリューションを提供しています。

アジレントの Bravo Automated Liquid Handling Platform は、幅広い容量の範囲で高精度のピペッティングを実現します。さまざまなプレート形式に対応する柔軟性を備えているほか、独自のオープン設計により、さらなるワークフローでの自動化との統合も円滑におこなえます。Bravo Platform なら、時間を節約し、精度を高めることができます。

スループットを高める必要がある場合は、より包括的な自動化システムの導入をおすすめします。Agilent BenchCel Microplate Handling Workstation は、柔軟性、拡張性、スループットを、コンパクトなベンチトッププラットフォームで提供します。

超ハイスループットと高生産性を求めるラボの場合は、ベッチトップシステムを離れる必要があるかもしれません。アジレントの独立型 BioCell Automation System システムは、学習可能な Direct Drive Robot (DDR) を備えています。この柔軟性の高いシステムなら、ラボのニーズに応じてカスタマイズし、他のアジレントの自動化モジュールや他社の機器と連携・統合させることも可能です。

 

図 3. Agilent VWorks Automation Control ソフトウェアは、ワークフローで使用する多くの機器のパワフルで柔軟性の高い自動化を可能にします(画像を拡大するにはここをクリックします)。

どれくらいのトレーニングが必要になるのか

Bravo Platform のような単一の機器は、シンプルで使いやすいものです。しかし、複数の自動化機器 (ロボットアーム、分注機、プレートリーダー、ウォッシャーなど) を使用する場合、ソフトウェアや機器のメニューが容易に理解できるものなのか、すべての自動化機器が連携しているのかといった、すべての機器の詳細を習得するのに要する時間を考慮する必要があります。

Agilent VWorks Automation Control ソフトウェアは、自動化機器をひとつに統合するソフトウェアです (図 3)。直観的なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を備えているため、新たなプロトコルの作成、機器の連結や設定、プロトコルの実行、進捗状況のモニタリングなどが容易におこなえます。拡張可能で動的な単一のソフトウェアソリューションなので、トレーニングのコストを削減し、生産性を最大限に高めながら、複雑な機器ネットワークに拡大することができます。

自動化ソリューションを将来のニーズに応じて拡張できるのか

現在のニーズ、そして1 年後のニーズは何ですか。アジレントの自動化ソリューションは、拡張可能な設計になっています。VWorks Automation Control ソフトウェアなら、1 つの機器を操作するのと同じくらい簡単に、10 台の機器を操作することができます。Bravo Platform と BenchCel Workstation は、スケールアップが可能な設計です。

アジレントは、スループットや一貫性、エラーのない分析に関するお客様のニーズを理解しています。次世代シーケンスを自動化する準備が整ったときには、アジレントの自動化ソリューションをご検討ください。ラボに最適なオプションに関するご質問がありましたら、お近くのアジレント代理店・販売店にお問い合わせの上、それぞれの NGS ワークフローを簡略化および高速化する最適な方法をご確認ください。