Access Agilent 2010年2月号

UHPLC カラムによる高い生産性:ソルベントセーバー (内径 3.0 mm) カラムの利点

Maureen Joseph
アジレントLCカラムプロダクトマネージャ

超高速液体クロマトグラフィ (UHPLC) は、HPLC の最も急成長している分野であり、分離を最適化し、生産性をあげるために最適なカラムサイズについての問い合わせが頻繁にあります。UHPLC 分析用に選択するカラムの内径 (ID) と長さは、分析時間、分離能、注入可能なサンプルの量、溶媒の選択などに影響を与えます。その中でも、2 ミクロン未満の粒子を使用した UHPLC カラムの場合は、内径 (ID) 3.0 mm のカラムを使うことが、多くの分離によい選択肢です。内径 2.1 mm のナローボアカラムと比較した場合の利点として、サンプル保持容量が適切であり、LC システムの余分なカラムボリュームによる効率低下が少ないこと、また、内径 4.6 mm のカラムと比較した場合、溶媒の消費量が少ない点が挙げられます。

図 1. サンプルのロード量が多い場合でも、内径 3.0 mm の Agilent ZORBAX ソルベントセーバーカラムは、内径 2.1 mm のカラムよりも狭いピーク幅を維持します(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 1. サンプルのロード量が多い場合でも、内径 3.0 mm の Agilent ZORBAX ソルベントセーバーカラムは、内径 2.1 mm のカラムよりも狭いピーク幅を維持します(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 2. サンプルの注入量を増やしても、内径 3.0 mm のカラムは内径 2.1 mm のカラムよりも分離の維持が優れています(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 2. サンプルの注入量を増やしても、内径 3.0 mm のカラムは内径 2.1 mm のカラムよりも分離の維持が優れています(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 3. 内径 3.0 mm の Agilent ZORBAX ソルベントセーバーカラムは、4.6 mm のカラムと比べて溶媒の使用量を 2 分の 1 以上削減します(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 3. 内径 3.0 mm の Agilent ZORBAX ソルベントセーバーカラムは、4.6 mm のカラムと比べて溶媒の使用量を 2 分の 1 以上削減します(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 4. 約 0.5 ppb の SF6 標準ガスのクロマトグラム(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 4. Agilent 1290 Infinity LC で Agilent ZORBAX RRHD (1.8 µm) ソルベントセーバーカラムを使用することにより、スループットを 3 倍まで向上させることができます(画像を拡大するにはここをクリックします)。

より多くのサンプル注入により
含有量が少ないサンプル成分を検出

サンプル内の微量成分を検出する場合は、わずかな量の対象化合物を容易に検出できるように、十分な量のサンプルを注入することが重要です。Agilent ZORBAX ソルベントセーバー (内径 3.0 mm) カラムは、内径 2.1 mm のナローボアカラムに比べて充てん剤の量が多く、サンプルの注入量を多くすることが可能です。注入可能なサンプルの量が増えれば、微量成分の分析が容易になり、信頼性も向上します。この結果、サンプルの再分析の必要性を抑えることができます。

最も正確な結果を得るためには、サンプルの注入量が増えても、溶出時間の近い化合物間の分離能を維持することが重要です。内径 2.1 mm と 3.0 mm のカラムの保持容量を比較するために、カラムに注入するサンプルの量を増加させ、完全には分離していない 2 つの成分の分離能を確認しました。図 1 に、サンプルのロード量を増加させたときの Agilent ZORBAX ラピッドレゾルーション HD (RRHD) Eclipse Plus C18 カラム (粒子径 1.8 µm) のバンドの広がりを示します。このグラフは、非常に少ないサンプルロード量でもナローボアカラムのピークが広がっていることを示します。図 2 に、同じ分析で、バンドの広がりにより分離能が低下する様子を示します。50 ppm の溶液を 20 µL 注入したところ、内径 3.0 mm のカラムでは分離能の低下がわずか 4% であったのに対し、内径 2.1 mm のカラムでは 20% の低下が見られました。注入溶媒は弱い溶媒であるため、この影響はカラム体積の変化によるものであり、注入量の変化によるものではありません。

溶媒の消費量を削減

アセトニトリル不足の問題は緩和されましたが、溶媒の使用量に関する意識は高まっています。内径 4.6 mm の Agilent ZORBAX ラピッドレゾルーションハイスループット (RRHT) カラム (粒子径 1.8 µm) が一般に使用されていますが、これと同等の内径 3.0 mm の ZORBAX RRHD (1.8 µm) カラムは溶媒の使用量を劇的に削減します。図 3 は、内径 4.6 mm のカラムから内径 3.0 mm のソルベントセーバーカラムに切り替えることにより、溶媒の使用量が 58% 削減された例を示しています。

高圧分析向けに設計されたカラムにより分析時間を短縮

多くのラボでは、溶媒の使用量を抑え、分析時間を短縮する必要があります。Agilent ZORBAX RRHD (1.8 µm) カラムは、最大で 1200 bar の超高圧下で使用することができます。この柔軟性により高い流量での操作が可能になり、1 回の分析で使用する溶媒の総量を増加させずに、分析時間を短縮することができます。図 4 では、図 3 の分析を使用し、ZORBAX RRHD (1.8 µm) ソルベントセーバー (内径 3.0 mm) カラムの流量を 3 倍まで上げました。この変更により分析時間は 3 分の 2 まで短縮されました。操作圧が 800 bar に上昇しても、このカラムと Agilent 1290 Infinity LC システムの動作範囲内に十分に収まっています。

これらの例は、2 ミクロン未満のソルベントセーバー (内径 3.0 mm) カラムが持つ 2 つの利点を示しています。主な目標がサンプルの注入量を最適化することであっても、溶媒を削減することであっても、内径 3.0 mm のカラムが適しています。Agilent ZORBAX RRHD (1.8 µm) ソルベントセーバーカラムを使用すると、サンプルのスループットも向上させることができます。UHPLC カラムを使用した生産性の向上の詳細については、このトピックに関するテクニカルノート (5990-4552EN) をダウンロードしてください。