Access Agilent 2009年8月号

アジレントのデュアルプラズマ化学発光窒素検出器によるニトロソアミンの検出と管理

Thomas Daniels
Agilent SCD/NCD検出器プロダクトマネージャ

ニトロソアミンの健康上の影響については、長年にわたって懸念が高まっています。ニトロソアミンは、自然発生または硝酸塩、亜硝酸塩、アミンなどの添加物から形成される物質で、加工肉製品、タバコ、ゴム製品、蒸留酒、化粧品、その他の消費財や環境マトリックスで生じる可能性があります。N-ニトロソ化合物のなかには、発癌性を持つものや、その可能性が疑われているものもあります。また、一部のニトロソアミンは突然変異を誘発物質で非常に低い濃度でも先天性欠損症を引き起こすおそれがあることが、複数の研究により明らかになっています。したがって、こうした毒性のある化合物を効果的に測定できる分析テクニックが、さまざまな業界で必然的に求められています。Agilent 255 化学発光窒素検出器 (NCD) を組み合わせたキャピラリガスクロマトグラフィなら、選択性に優れた高速ニトロソアミン分析を実現します。

255 NCD を使えば、バーナー条件を最適化し、ニトロソアミンを選択的に測定することができます。255 NCD のレスポンスは、熱に対して不安定なニトロソ部分の存在のみに比例します。デュアルプラズマ技術を備えたこの検出器は、等モルレスポンスを生成し、クエンチングの影響を受けません。少なくとも 4 桁にわたりで直線性を保ち、優れた長時間安定性も備えています。

図 1. 各システムには、低濃度ニトロソアミン標準物質のクロマトグラムが付随します。このクロマトグラムは、工場における性能確認を証明するものです。(画像を拡大するにはここをクリックします)
Agilent 7890A GC システム
オーブンプログラム

初期温度60℃ (1 分)、
昇温10℃/min で 120℃まで (4 分)、
昇温15℃/min で 230℃ まで (5 分)

分析時間 23.33 分
注入口 クールオンカラム(オーブントラッキングモード)
カラム Agilent J&W DB-Wax、30 m x 530 μm x 1 μm
カラム流量 3.5 mL/min
255 NCD 用 Agilent デュアルプラズマコントローラ
水素フロー

N/A

酸素フロー 7.5 SCCM
通常圧力 70 - 80 torr
バーナー温度 450℃

表 1. ニトロソアミン分析のクロマトグラフィ条件
図 2. TEA (左) から NCD (右) に切り替えると、分析時間を 63 % も短縮できます。公称濃度 100 ng/mL のニトロソアミンを含む参照物質のクロマトグラムを示しています。(画像を拡大するにはここをクリックします)

最適化された GC/NCD ソリューション

アジレントは、工場でテストされたニトロソアミン分析専用の GC システムを提供しています。このシステムは、特別な設定の 7890A GC システムと、最適化された Agilent 255 NCD で構成され、各システムにニトロソアミンテスト結果が付随します (図 1 参照)。表 1 に、この専用ソリューションにおける確認用標準物質のクロマトグラフィ条件をまとめています。

TEA に対する 255 NCD の利点を示す成功導入例

ニトロソアミン分析を専門とする cGMP 分析サービスのある大手サプライヤは、熱エネルギーアナライザ (TEA) から Agilent 255 NCD に切り替え、成功を収めました。このラボでは、老朽化した TEA のメンテナンスが問題になっており、修理費用を減らしつつ信頼性を向上できる代替策が求められていました。

この分析サービス会社は、実証試験を行うために、サンプルをアプリケーションラボに送りました。そこで満足のいく結果が得られたため、この会社はニトロソアミン分析用に 2 台の Agilent 255 NCD を購入しました。それ以来、この会社では幅広く検証試験が実施されましたが、試験結果が良好だったことから、老朽化した TEA を撤去することができました。

信頼性が証明されたことに加えて、Agilent NCD では、分解能が向上し、分析時間も短縮できることが明らかになりました。図 2 に示されているように、TEA 分析 (左) は 27 分かかっていたのに対し、255 NCD 分析 (右) は 10 分しかかかりません。このように大幅に時間が短縮されたのは、TEA で用いられたる充填カラムが、255 NCD ではキャピラリカラムに切り替えられたためです。図 2 の NCD クロマトグラムは、内径 0.53 mm の Agilent J&W DB-Wax カラムを使用して得られたものです。各種条件は、アプリケーションノート 5989-6773JAJP に記載されているものと同じです。

検証試験では、おおむね同じ結果が得られましたが、回収率は 255 NCD でわずかに高くなりました。いずれの検出システムでも、Thermo Scientific CTR (モレキュラシーブ) トラップを使うと、ベースラインがより安定することが、この試験で明らかになりました。また、トラップは約 50 回の分析ごとに交換する必要がありました。さらに、Agilent 255 NCD ではベースラインがより安定するため、ピーク積分も容易になりました。

化学発光窒素検出器を組み合わせたガスクロマトグラフィを使えば、信頼性や感度、選択性の高いニトロソアミン分析が実現します。Agilent デュアルプラズマ化学発光窒素検出器の詳細をご確認ください。Agilent 255 NCD を使って分析の信頼性を高める方法については、お近くのアジレント販売店にご相談ください。ニトロソアミン用 GC ソリューションを注文する場合は、ニトロソアミン分析の SP-1 7890-0460 をリクエストしてください。