クロマトグラフィと ICP-MS を接続するエキスパート |
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元素分析のなかでも、ICP-MS とクロマトグラフィを組み合わせた複合手法は、もっとも急速に成長している研究およびアプリケーション分野です。こうした傾向の背景には、元素の総量だけでなく、化学形態も分析する必要性が高まっているという事情があります。というのも、化学形態は、毒性などの化学的特性に大きな影響を与えるためです。スペシエーションシステムは、ICP-MS と分離テクニック(通常はクロマトグラフィ分離)を組み合わせることで実現します。これにより、構成成分の化学形態や酸化状態をもとに分析対象物を分離し、元素を分析することが可能になります。 |
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一般的に利用される分離テクニックは、ガスクロマトグラフィ (GC)、液体クロマトグラフィ (LC)、イオンクロマトグラフィ (IC) などですが、キャピラリ電気泳動 (CE) などの分離テクニックが利用されることもあります。GC、LC、CE、そして ICP-MS を提供するアジレントは、ルーチン分析向けの複合ソリューションによりこの分野をリードし、全世界でスペシエーション分析の急成長を支えています。 |
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分離テクニックに関するアジレントの専門知識により、スペシエーションシステムのスムーズな据付と導入が保証されています。 |
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スペシエーション・アプリケーションの分野 |
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スペシエーションシステムは便宜上、元素スペシエーションと分子スペシエーションという 2つのアプリケーション分野に分けられます。ICP-MS は常に元素シグナルを測定するため、この 2つの違いはごくわずかですが、分離および検出しようとする元素が三価クロムや六価クロムのような形態をとっている場合や、臭素系難燃剤などの高分子の一部としてサンプル中に存在する場合には、違いが生じてきます。 | | |
シンシナティ大学/アジレント・テクノロジーズ メタロミクス・センター・オブ・アメリカズ(University of Cincinnati/Agilent Technologies Metallomics Center of the Americas) |
シンシナティ大学/アジレント・テクノロジーズ メタロミクス・センター・オブ・アメリカズ(University of Cincinnati/Agilent Technologies Metallomics Center of the Americas)が、2007年1月に設立されました。
メタロミクス・センターの研究者たちは、アジレントの提供する技術を使って、金属および金属種の分析や、そうした物質の生物系および環境システム中の相互作用など、メタロミクスに関連するあらゆる分野の研究を続けています。
応用分野としては、神経学研究、メタロプロテオミクス、超微量レベルの有機化合物検知のためのメタルタグのほか、ICP-MSやMSと組み合わせたLCおよびGCなどを用いた環境モニタリングなどが挙げられます。
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現在のパートナー団体は、以下のとおりです: |
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- アルゼンチン原子力委員会
- インディアナ大学(アメリカ)
- アルゼンチン科学技術研究評議会
- カナダ国立研究評議会
- 工業発酵研究開発センター(アルゼンチン)
- 環境研究サービス研究所(アルゼンチン)
- グアナフアト大学(メキシコ)
- サンルイス大学(アルゼンチン)
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シンシナティ大学の化学教授Joe Caruso氏がセンターの所長を務めています。
詳細については、シンシナティ大学/アジレント・テクノロジーズ メタロミクス・センター・オブ・アメリカズのWebサイトをご覧ください。 | | | |
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元素スペシエーションは、多くのアプリケーション分野で重要な役割を果たす分析で、特に環境、食品、臨床分野では重要視されています。これは、多くの元素において、サンプル中の元素の化学種や化学形態によって、以下に挙げるような特性が異なるためです。 |
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- 毒性または栄養価
- 環境移動性および環境持続性
- 生体利用性
- 揮発性
- 化学反応性
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一般的な例としては、環境サンプルに含まれるクロム総量に対する六価クロム(毒性)と三価クロム(非毒性)の測定が挙げられます。同様の元素スペシエーション例としては、三価ヒ素と五価ヒ素、四価セレンと六価セレンなど、異なる酸化状態で安定して存在しうる元素の測定があります。 |
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分子スペシエーションは、ICP-MS を用いて、クロマトグラフィの分子ピーク内に存在する特定の元素を同定および定量する分析手法です。有機MSテクニックと組み合わせれば、複雑なサンプルにおいて、特定の元素を含む分子(ピーク)を高速でスクリーニングしてから、有機MSで分析することができます。最新の統合型システムとソフトウェアを利用すれば、1台のクロマトグラフィ装置でスプリットフローを用いて、ICP-MSと有機(ESI など)MSによる同時分析を行なうことも可能です。
分子スペシエーションにおける ICP-MS の例としては、以下のような幅広いアプリケーションが挙げられます: |
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- 炭化水素燃料中の総硫黄量と硫黄種
- 海底堆積物、生物相、一般商品、飲料水に含まれる有機スズ類
- 魚、産業廃棄物、石油精製物に含まれる水銀類
- 海草、食品、飲料水に含まれるヒ素類
- 一般商品に含まれる臭素系およびリン系難燃剤
- 生物サンプル中のリンおよび硫黄
- タンパク質結合金属
- 殺虫剤および除草剤
- 化学兵器
- 大気サンプル中の揮発性有機ハロゲン化物
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製品とソリューション |
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