BLOG: アジレントによる偽造美術品の識別

アジレントが 1490 点もの偽造絵画の検出に貢献

アジレントによる偽造美術品の識別
2016 年 4 月7 日    著者: Russell Lee

数週間前に、私は美術品の管理におけるアジレントの役割に関する記事を書きました。調査を続けると、別記事での紹介にふさわしい素晴らしい事例が見つかりました。

ロンドンのナショナル・ギャラリーでは数十年間にわたり、「The Virgin and Child with an Angel (聖母子像)」 という絵画を展示してきました。この作品はイタリアの画家フランチェスコ・フランチャの作品として知られる最古の絵画として特に有名であり、サインと「1490」という年が薄い文字で記されていました。

1954 年に、この作品とそっくりの絵画がオークションにかけられました。ナショナル・ギャラリーでは、この 2 点の絵画のどちらがフランチャのオリジナルの作品であるかを特定する必要に迫られました。
アジレントの GC/MS システムが、この論争に決着を付けました。ナショナル・ギャラリーの作品から採取した黄色の絵の具のサンプルを分析した結果、1818 年より後に流通した合成色素が含まれていることがわかりました。また赤色の絵の具にも、19 世紀に製造されたと思われる色素が含まれていました。

顕微鏡、X 線、赤外線リフレクトグラフィでさらに分析した結果、ナショナル・ギャラリーの展示品は完全な贋作であることがわかりました。ナショナル・ギャラリーでは現在この作品を、「フランチェスコ・フランチャより後、おそらく 19 世紀後半の作品」 と分類しています。1954 年のオークションに出品された本物の方は、アメリカのペンシルベニア州ピッツバーグにあるカーネギー美術館に収蔵されています。

論争の発端となった絵画の写真は、こちらでご覧いただけます。

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