農薬、食品、環境、医薬品分析といった分野の、ガスクロマトグラフィ (GC) による活性化合物の分析は依然として難しい課題の1つです。 これはおもに、検出下限が引き下げられ、低ナノグラム域の検出が求められる傾向があるためです。これまで、感度向上の大きな障害と なっていたのが、カラムブリードでした。カラムブリードを抑えれば、検出器でのノイズが減少し、シグナル/ノイズ比と検出下限が向上します。 現在、GC カラム製造テクニックが改良されたことで、一定の温度においてカラムやライナ、セプタムのブリードから生じるノイズを、 かなり抑制できるようになっています。ブリードが制御可能なレベルにまで減少した今、GC カラム設計の次なる開拓分野として、表面活性を 低下させ、より多くの分析対象物を高感度検出器に送ることに重点が置かれるようになっています。
現在の課題となっているのが、活性化合物と GC フローパスとの吸着などの相互作用の制御です。活性化合物が導入されると、インジェクタや カラムといったフローパスを通過し、検出器へと至ります。フローパスに活性部位があると、一部の活性化合物が選択的に捕捉、吸着される ことがあります。これにより、ピーク形状が悪化し、ひどいときには微量化合物が完全に吸着する場合もあります。そうした活性化合物の 分析性能を向上させるためには、表面不活性化のための戦略を改良し、ターゲットとなるカラム、ライナ、検出器の不活性を向上させることが 必要不可欠です。フローパスの不活性は、活性化合物の定量を向上させ、検出下限を引き下げるための次なる開拓分野です。 また、多次元 GC、GC 飛行時間型 (GC-TOF) 分析、GC トリプル四重極質量分析 (GC-QQQ) などの最先端 GC 機器や GC 質量分析 (GC/MS) 機器 の能力を完全に引き出すうえでも重要な要素です。
Agilent J&W ウルトライナート GC カラムファミリーは、一貫したカラム不活性と超低カラムブリードという点で、業界水準を押し上げる製品です。これにより、分析困難な化合物でも、いっそう優れた検出下限と精度の高い分析データが実現します。Agilent J&W ウルトライナート GC カラムは、業界でもきわめて要件の厳しいウルトライナート試験混合物を用いてテストされ、各カラムにはパフォーマンスサマリーシートが付属します。 そのため、究極の自信をもって微量分析に取り組むことができます。
発売中のウルトライナートカラム相: DB-1ms UI、HP-1ms UI、DB-5ms UI、HP-5ms UI、DB-35ms UI、DB-624UI、DB-UI8270D(英語)

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