アジレント メタボロミクスセミナー 2012

日本が世界をリードする科学技術と評価されるメタボロミクスは、今や各産業においても製品開発、品質管理等々にこの手法が取り入れられてきております。
本セミナーでは日本のメタボローム研究を牽引、リードされている先生方をお招きして、様々な分野におけるメタボロミクスの基礎から、最新のメタボローム研究例、実践例と、その研究に使われている各種分析装置(CE-MS、LC/MS、GC/MS、NMR等)についてご紹介します。
今回はセミナー終了後にはご参加いただいた皆様に、ご講演の先生方とのディスカッションの場として、情報交換会(懇親会)も設けております。
お忙しい折とは存じますが、ぜひ本セミナーにご参加くださいますようお願い申し上げます。皆さまのご参加を、心よりお待ち申し上げます。

セミナー概要

大阪開催

申込受付終了しました
日時 2012年7月5日(木) 10:30~17:00 ※受付開始10:00
会場

千里ライフサイエンスセンター
5階 サイエンスホールライフホール
※6月20日現在、部屋を変更しました。
フロアの変更はございません。
大阪府豊中市新千里東町1丁目4-2

定員 100名
参加費 無料

東京開催

申込受付終了しました
日時 2012年7月6日(金) 10:30~17:00 ※受付開始10:00
会場 THE GRAND HALL 品川
(品川グランドセントラルタワー 3F)
東京都港区港南2-16-4
定員 150名
参加費 無料

プログラム

時間講演内容
10:00 受付開始
10:30 ~ 10:40 開会のご挨拶、会場のご案内
10:40 ~ 11:25

バイオリファイナリー構築に資する微生物細胞工場の創製

神戸大学 自然科学系先端融合研究環 講師/JSTさきがけ研究員 
蓮沼誠久 先生

有限な化石資源への依存から脱却し、持続可能な低炭素社会を構築するため、再生可能資源であるバイオマスから有用物質を生産するバイオリファイナリーの構築が求められている。バイオマスは光合成によって地球上に固定される炭化水素であり、その有効利用は将来的なエネルギー資源の安定供給に寄与することが期待され、これを有機溶媒や化学触媒を用いない環境低負荷型の生物プロセス(主として微生物発酵)で液体燃料や化学品原料に変換することができれば理想的である。しかしながら、食料との競合を回避するためにリグノセルロース系バイオマスを出発原料として用いる場合、前処理工程で生成する酸やアルデヒド類が微生物の代謝や増殖を阻害する点、グルコース以外の多様な糖類からの発酵生産が必要になる点をクリアすることが大きな課題である。演者の研究チームでは、メタボロミクスやトランスクリプトミクス等のシステムバイオロジー解析手法を用い、リグノセルロース系バイオマスからの発酵工程の微生物の代謝状態を解析することにより、代謝を停滞させるボトルネックの探索に取り組んできた。ボトルネックの同定は、代謝律速の合理的な解除を可能にし、発酵効率の向上を実現した。本講演では、システムバイオロジー解析に基づく合理的な微生物改変戦略の導出とバイオエタノール生産への応用について紹介したい。

11:25 ~ 11:45

CE-MSメタボロミクスの最新情報

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社

メタボロミクスではより多くの代謝物質を一斉分析することが求められるが、ときに特定代謝物質の定量性が損なわれることに目をつぶらざるを得ない。現行のCE-TOFMS解析は、定量性と網羅性のバランスを考慮して分析手法が設計されており、変動する代謝物質のスクリーニングに向いているが、個々の代謝経路をより精確に測定し厳密なメタボロームプロファイルを得る選択肢も準備されるべきである。弊社ではCE-TOFMSによる網羅的メタボローム解析に加え、CE-QqQMSによる中心代謝物質ターゲット分析サービスを開始する。これにより低濃度代謝物質の検出と構造異性体分離が可能となり、より精密な代謝プロファイルが得られる。本セミナーでは、アプリケーションデータを交えて新サービスを紹介する。

11:45 ~ 13:00 休憩
13:00 ~ 13:45

メタボリックプロファイリング技術のアプリケーション

大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 教授 
福崎英一郎 先生

メタボリックプロファイリングとは、極限すれば、メタボローム (代謝物の定量情報) と解析対象の定量的表現型の相関を解析することを意味する。表現型の定量予測モデルを構築するとともに、性能向上戦略を提供することと言える。当該戦術の適用範囲は広く、対象は、動植物、微生物、食品等に及ぶ。本セミナーでは、動物、微生物、食品を対象とした具体的なアプリケーションを紹介し、当該戦術の一般性と有効性を示したい。

13:45 ~ 14:30 NMRメタボロミクスを基盤とした腸内環境研究

慶應義塾大学 先端生命科学研究所
(前・理化学研究所 横浜研究所 免疫アレルギー科学総合研究センター 免疫系構築研究チーム)
福田真嗣 先生

ヒトの腸管内にはおよそ1000種類・100兆個にもおよぶ細菌が生息しており、これら一群を総称して腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ぶ。腸内フローラはヒトの健康維持に有用であると同時に有害な面があることも明らかになってきている。近年、ビフィズス菌や乳酸菌に代表される善玉菌の増加による疾患の改善や予防効果が明らかになると共に、これら善玉菌そのものを摂取する方法、すなわちプロバイオティクスの有用性が、健康維持・予防医学の面からも認識されてきている。しかしながら、プロバイオティクスがどのような作用機序で宿主の健康維持や疾患の改善に関わっているのかについての科学的根拠は乏しいのが現状である。本講演ではNMRを用いたメタボロミクスによる代謝動態解析技術の紹介と、それらを用いて明らかにしたプロバイオティクスの効果について紹介する。
14:30 ~ 14:45 休憩
14:45 ~ 15:30

CE-MSメタボロミクスによるがんの代謝研究

慶應義塾大学 先端生命科学研究所 教授 
曽我朋義 先生

がんは様々な遺伝子変異の蓄積によって生じるが、ほとんどのがん細胞が酸化的リン酸化反応から解糖系に代謝をスイッチして増殖や転移に必要なATPを生産する。何故がんがエネルギー効率の悪い解糖系を使うか、また、血管が少ない組織でも増殖するがんはどのようにしてATPを産生するかなど、がんの代謝は謎が多い。がんがどのような機序によってこのような特徴的な代謝を示すのか最近明らかになってきた。本講演では、演者らがCE-MSメタボローム解析をがん組織や培養細胞に応用して得られた最新のがん研究の知見について紹介したい。

15:30 ~ 15:50

アジレントが提供するメタボロミクスソリューションのご紹介

アジレント・テクノロジー株式会社 ライフサイエンス・化学分析本部
野上知花

アジレントではメタボロミクス用にGC/MS、LC/MS、CE-MS、NMR、ICP-MS、多変量解析ソフト、パスウェイ解析ソフト等々の皆様のご研究に役立つツールをご提供しています。本セミナーでご講演いただいた先生方が実際に研究用にご使用されている各種分析装置について詳しくご紹介します。

16:00 ~ 17:00 情報交換会(懇親会)

参考情報

アジレントセミナーについて

お問合せ

アジレント・テクノロジー株式会社マーケティングサービス部セミナー担当
電話:0120-477-111  FAX:0120-560-320  e-mail:lsca_seminar@agilent.com

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