Access Agilent 2016年6月号

Agilent 1290 LC と 6550 iFunnel Q-TOF との組み合わせによる、先発品およびバイオシミラー mAb の高速、高分離能のペプチドマッピング

Ravinda Gudihal、アプリケーションスペシャリスト、Agilent Technologies

今日、バイオシミラーの開発は、特に発展途上国で、先発薬の特許期間満了に伴い拡大し続けています。バイオシミラー モノクローナル抗体 (mAb) はライセンスを受けた先発品のコピーで、現在、がん治療に用いられる薬の最も重要な生体分子の 1 つとして考えられています。この記事では、バイオシミラー mAb のペプチドマッピングに使用される手法とアプリケーションについて解説します。

図 1. LC/MS と Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラムを用いて得られた、(A) 先発品と (B) バイオシミラーのトリプシン消化済み mAb の全イオンクロマトグラム (TIC)。

図 1. LC/MS と Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラムを用いて得られた、
(A) 先発品と (B) バイオシミラーのトリプシン消化済み mAb の全イオンクロマトグラム (TIC)。

図 2. Agilent MassHunter BioConfirm ソフトウェアの Comparative Analysis (比較分析) 機能。

図 2. Agilent MassHunter BioConfirm ソフトウェアの Comparative Analysis (比較分析) 機能。
(A) 先発品 (赤のトレース) とバイオシミラー (青のトレース) との間の TIC のミラープロット。
14.4 分付近の領域がハイライトされ SLSLSPGK ペプチドの違いが示されています。
(B) EIC (抽出イオンクロマトグラム) によって、SLSLSPGK ペプチドがバイオシミラーで濃縮されていることが示されています。
同様に、18.7 分付近のピークが SLSLSPG ペプチド (トランケーションされたリジン) に相当します。
(C) SLSLSPG ペプチドの EIC から、先発品でこのペプチドが濃縮されていることが示されています。

ペプチドマッピングは抗体の品質評価において重要な分析手法
です。

医薬品業界では、ペプチドマッピングは抗体の品質を評価するために定常的に採用されている手法で、先発品と相当するバイオシミラーの間で、配列の類似性および変異を示すことが重要となっています。ペプチドマッピングではタンパク質 /mAb をプロテアーゼ消化で処理を行い、続いて LC/MS/MS で分析されます。バイオシミラー mAb の品質を保証し、先発品との分子の類似性を示すには、アミノ酸配列の確認が最も重要です。

このアプリケーションにおいて、リンパ腫、関節炎、白血病の治療に用いられる先発品およびバイオシミラーの市販のリツキシマブをトリプシン消化した後、Agilent 6500 シリーズ LC/Q-TOF MS でペプチド分離して質量測定しました。先発品とバイオシミラーを、アミノ酸配列の類似性、酸化、脱アミド化について比較しました (図 1)。

先発品とバイオシミラーのペプチドマップの違いを調査するために、Agilent MassHunter の Comparative Analysis (比較分析) ソフトウェアの Compare Files (ファイル比較) 機能を用いて TIC のミラープロットを作成しました (図 2)。

統合されたアジレントの分析システムによって、高速、正確、
高分離能のペプチドマッピングを提供します。

  • Agilent 1290 Infinity LC システムは LC 間でのシームレスなメソッド移管を実現し、リテンションタイムおよびピーク分離が変化することはありません。
  • 120 MPa (1200 bar) までの超高圧と 5 mL/min までの高流量との組み合わせによるきわめて高い性能により、最高レベルのクロマトグラフィー性能、互換性、柔軟性、高い対費用効果を実現します。
  • 光路長 60 mm の革新的な Agilent Max-Light カートリッジセルにより超高感度を実現します。
  • Agilent 6550 iFunnel Q-TOF LC/MS は、研究からルーチンアプリケーション用柔軟にシステム構成を組み合わせることができ、高分解能な精密質量の MS/MS によって詳細な情報が得られます。
  • イオン移送が増えることにより、どの高分離能 LC/MS よりも高い検出レベルを達成しました。
  • オンカラム感度が 5 倍向上し、稼働時間が増えることで、ハイスループットアプリケーションのための最高感度を維持することができます。
  • Agilent MassHunter BioConfirm ソフトウェアと Agilent MassHunter の Comparative Analysis (比較分析) ソフトウェアによって自動化されたデータ抽出、配列マッチング、PTM 同定、配列のカバー計算が行えます。

実サンプルの例: 先発医薬品とバイオシミラーのペプチドマッピングで用いられる
アジレントのソリューション

こちらの例では、リツキシマブのバイオシミラーと先発品を薬局で準備し、製造元の指示に従って保管しました。さらに、DL - ジチオスレイトール (DTT)、ヨードアセトアミド、トリス塩基、高品質配列グレードのトリプシン、LC/MS グレード溶媒を準備しました。

ペプチドマッピングは分析中のタンパク質の「指紋」と考えられているため、リツキシマブとそのバイオシミラーバージョンとの類似性を比較するための優れた手法です。ペプチドの質量は、LC/MS 分析で測定した結果を BioConfirm の Molecular Feature Extraction (化合物の抽出) 機能によって得られました。また、ペプチドマップを使用して酸化と脱アミド化の度合い定量しました。酸化と脱アミド化は保管、製剤、サンプルハンドリング中に見られる最も一般的に発生する修飾です。

このアプリケーションの詳細については、アジレントのアプリケーションノート 5991-6522ENを参照してください。

多忙な研究者およびラボマネージャ向けのアジレントの幅広い LC、LC/MS、Q-TOF
ソリューション

アジレントは、多忙な研究ラボのスループットを向上させる、液体クロマトグラフィーLC/MSQ-TOF 機器および消耗品、関連するソフトウェアを幅広く提供しています。各ソリューションの詳細およびこれらがラボの効率およびコスト効果をどのように向上できるかについては、アジレントの担当者にお問い合わせください。

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