Access Agilent 2016年3月号

ヒント: LC メソッドを Agilent 1290 Infinity II LC システムへ容易かつ効率的に移管する方法

Jan Lembcke、アジレント製品マネージャ、分析 HPLC

多くのラボが最新の LC 技術による効率向上を望んでいますが、メソッド移管がその大きな障壁となることもあります。旧式の LC システムから、最新の UHPLC 機能を備えた機器への移行には通常、メソッド移管および性能評価という面倒な作業が伴います。こういった作業を容易にするのが、アジレントの 2 つの革新技術です。

ISET がブランドを問わず LC メソッドのシームレスな移管を実現

旧式の LC は、Agilent 1290 Infinity やAgilent 1290 Infinity II LC に比べてディレイボリュームが大きく、ミキシング挙動も異なります。通常、メソッド移管時には、移行後のシステムで同じクロマトグラフィー結果が得られるよう、メソッドを調整するか、LC チューブを交換しなければならないため、メソッドの再バリデーションが必要になります。アジレントの ISET があれば、こういったコストと時間のかかる作業は不要です。

図 1. 従来のメソッドを Agilent 1100 シリーズバイナリ LC システムと、ISET を有効/無効にした Agilent 1290 Infinity II LC システムで実行して得られたクロマトグラムの重ね表示。ISET を利用することで、ほぼ同一の結果が得られています。

図 1. 従来のメソッドを Agilent 1100 シリーズバイナリ LC システムと、ISET を有効/無効にした
Agilent 1290 Infinity II LC システムで実行して得られたクロマトグラムの重ね表示。ISET を利用することで、
ほぼ同一の結果が得られています。

図 2. Agilent 1290 Infinity II LC で、Waters Alliance 2695 LC とほぼ同等のリテンションタイムが得られています。

図 2. Agilent 1290 Infinity II LC で、Waters Alliance 2695 LC とほぼ同等のリテンションタイムが得られています。

ISET (Agilent Intelligent System Emulation Technloloty) により、 Agilent 1290 Infinity II LC システムが他の HPLC または UHPLC 装置にエニュレートでき、同じクロマトグラフィー結果を得ることができます。ISET は簡単なマウスのクリック操作で有効にできます。LC のキャピラリや元のメソッドを変更する必要がないため、時間を大幅に節約できます。旧式の機器を維持させておかなくても、安心して分析を行えます。

アジレントのアプリケーションノート (5991-6289JAJP) には、ISET の利点が、6 種類の三環系抗うつ薬の分析メソッドの移管例を通して実証されています。ISET を使用しない場合、Agilent 1290 Infinity II LC と旧式の Agilent 1100 シリーズバイナリ LC システムのリテンションタイムには、6~9 % のずれが生じました。一方、ISET を有効にした場合、このずれはわずか 1 % になりました (図 1 の中段および下段のクロマトグラムがほぼ同一)。このように、ISET を利用すれば、旧式のシステムで実行していたメソッドとほぼ同一のリテンションタイムを実現できます。また、Agilent 1290 Infinity II LC の広いパワーレンジと優れた性能を移管後のメソッドで活かせるようになります。

ICF により他社製クロマトグラフィーソフトウェアから Agilent LC のコントロールが可能に

アジレントの ICF (装置コントロールフレームワーク) により、他社製データシステムからすばやく簡単に Agilent LC システムをコントロールできるようになります。アジレントは、ソフトウェア開発者およびお客様に無償で ICF を提供しています。アジレントのアプリケーションノート (5991-6408JAJP) には、ICF の活用例として、Waters Empower ソフトウェアで Agilent 1290 Infinity II LC をコントロールしながら、このシステムへ Waters Alliance 2695 LC のメソッドをいかに簡単に移管できるかが示されています。

このアプリケーションノートで取り上げられている調査では、両システムでパラセタモールとその不純物を分析し、リテンションタイムと分離能の値を比較しています。また、ISET を有効にした場合と無効にした場合の結果も評価しています。図 2 に示すように、Agilent 1290 Infinity II LC でほぼ同一のリテンションタイムが得られています。また、表 1 から、Agilent 1290 Infinity II LC でほぼすべてのピークの分離能が格段に高まっていることがわかります。

  Waters Alliance 2695 LC
(分離度)
Agilent 1290 Infinity II LC
(分離度)
Agilent 1290 Infinity LC、ISET を有効化
(分離度)
Agilent 1290 Infinity II LC、ISET と微調整を有効化
(分離度)
不純物 K - - - -
パラセタモール 23.24 31.56 34.46 35.38
不純物 B 9.51 12.84 13.57 13.17
不純物 H 2.87 4.77 4.56 4.37
不純物 F 10.5 15.43 15.93 15.75
不純物 J 11.86 18.87 18.38 18.23
不純物 A 4.05 4.9 5.1 4.72

表 1. アジレントの ICF と ISET の利用により、 Agilent 1290 Infinity II LC は、Waters Alliance 2695 LC より優れた (高い) 分離能の値が得られています。

より高い生産性への移行

Agilent 1290 Infinity II LC に搭載されているアジレントのISET (Agilent Intelligent System Emulation Technloloty) により、他の LC システムからメソッドを効率的に移管し、同じリテンションタイムを得ることができます。旧式のシステムから Agilent 1290 Infinity II へアップグレードした場合には、このシステムが備える優れたスピード、分離能、感度といった利点を移管後のメソッドで存分に活用できます。

また、アジレントのICF (装置コントロールフレームワーク) を利用すれば、Waters Empower をはじめとする他社製ソフトウェアから、Agilent 1290 Infinity II LC の高度な LC 機能を包括的かつ簡単にコントロールできます。

アジレントの ISET および ICF の機能を紹介するこちらのビデオをぜひご覧ください。ラボの効率の向上と生産性の向上に Agilent 1290 Infinity II LC が確実のお役に。