Access Agilent 2016年2月号

Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラムで、
グリカンマッピングの課題に対応

Vicki Pandey、アジレント グローバルマーケティングコミュニケーション

モノクローナル抗体 (mAbs) のグリコシル化は一般的な翻訳後修飾の 1 つです。これらの糖タンパク質バイオ医薬品には複雑なオリゴ糖部分が含まれ、その存在、欠落、結合部位、および相対存在量が、医薬品の効能、薬物動態、免疫性、フォールディング、および安定性に大きな影響を与えることがあります。

グリカン部分は、免疫原性、効果または機能的効能、および mAbs のクリアランスにおいて、重要な役割を持っています。遺伝子組み換え治療用タンパク質の安定性評価には、グリコシル化などの製品の重要な修飾について、使用期限に至るまでの長期間のモニタリングが必要です。グリコシル化はインタクトタンパク質で分析できますが、糖ペプチドマッピングは、配列情報、質量解析、グリコシル化部位の特定などの追加の重要な情報を得るために必要です。

これらの課題に対応するため、Agilent LC カラム、LC/MS、LC システムを用いて、グリカン構造の特性解析およびグリカンプロファイルのモニタリングのためのソリューションを評価します。

アジレントのソリューションによる高速グリコシル化特性解析

CHO 細胞由来の IgG を特性分析するために、最初に高速で効率的な液体クロマトグラフィー-飛行時間型質量分析手法を用いました。Agilent Poroshell 300SB-C3、5 µm 表面多孔性カラムを使用して、インタクト IgG1 の精密なグリコフォーム質量を得るとともに、さらに IgG1 の不均一性を特性解析するためにパパイン消化された IgG1 を分析し、Fc 領域の部位に特異的なグリコシル化プロファイル情報を得ました。

今回のアプリケーションでは、Agilent 1200 Infinity LC システムとダイオードアレイ検出器および Agilent 6224 TOF LC/MS を使用しました。さらに、その後の mAb-Glyco チップ LC/MS 分析を使用して、グリカンの精密質量データベースを作成し TOF 質量分析で同定されたグリカンをさらにバリデーションしました。

図 1. Fc および Fab フラグメントの 2 つの主なピークを示すパパイン消化後の IgG1 の逆相分離。挿入図は、Fc および Fab フラグメントの変異体を表す、部分的に分離したピークを示しています (矢印)。

図 1. Fc および Fab フラグメントの 2 つの主なピークを示すパパイン消化後の IgG1 の逆相分離。挿入図は、Fc および Fab フラグメントの変異体を表す、部分的に分離した
ピークを示しています (矢印)。

図 2. 2.1 × 250 mm、2.7 µm Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラムを用いた逆相 rhEPO ペプチドマップ。

図 2. 2.1 × 250 mm、2.7 µm Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラムを用いた逆相 rhEPO ペプチドマップ。

図 1 は、逆相クロマトグラムでの切断後の分離と条件を示しています。この分離は 3 分未満で行われ、主な 2 つのピークが 2.4 分と 2.7 分に示されています。それぞれ、Fc フラグメントと Fab フラグメントです。さらに、Fc 領域内の 2.1 ~ 2.5 分に部分的に分離された小さなピークのセットがあり、Fc フラグメントの変異体を示しています。

グリコシル化の特性分析のメソッドの詳細については、アジレントのアプリケーションノート 5991-2323EN をご覧ください。

高分解能の糖ペプチドマッピング

その後、表面多孔質粒子技術ベースの 2.7 µm 粒子を使用した Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラムを評価しました。カラムは、ペプチドの分離を向上させペプチドマッピングアプリケーションに対応するように特別に設計されました。LC/MS 機器は、最初の分析で使用したものと同じものを使用しました。

図 2 では、ギ酸をイオンペアの添加物として用いて、どのように 2.1 × 250 mm カラムと最適化されたクロマトグラフィー条件が、rhEPO トリプシン消化物の高分解能分離を可能にしたかを示しています。この分離は、グラジエントプロファイルにわたって非常に狭いピーク幅、感度の向上、独自の選択性を示しているため、この分離を ESI/MS 分析にも対応させることができます。

アジレントのアプリケーションノート 5991-1813EN に、糖ペプチドマッピングでの AdvanceBio ペプチドマッピングカラムの詳しい使用方法を説明しています。

図 3. 2-AB-ラベル化フェチュインの分離。

図 3. 2-AB-ラベル化フェチュインの分離。

表 1. N-グリカンオボアルブミンの詳細情報。

表 1. N-グリカンオボアルブミンの詳細情報。

抗体の効率的な分析の実現

最後に、Agilent AdvanceBio Glycan マッピングカラムを使用した 1290 Infinity バイナリ LCAgilent 6530 Accurate-Mass Q-TOF LC/MS により mAb の N-グリカンと他の糖タンパク質を分析しました。フェチュインおよびオボアルブミンからの N-グリカンを PNGase F によって遊離し、2-AB で誘導体化し、HILIC/UHPLC とオンライン MS を用いて分析しました。図 3 はウシフェチュインのグリコシル化プロファイルを示しています。NeuAc を含む複雑な非フコシル化された二分岐および三分岐のグリカンのピークが出ています。Q-TOF/MS 検出を用いて 9 つの主なピークを割り当てました。表 1 は対応するグリカンの構造を示しています。

UHPLC と蛍光検出を用いた N-グリカン分析の詳細については、アジレントのアプリケーションノート 5991-5253EN に記載されています。

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