Access Agilent 2016年1月号

自動化されたワークフローソリューションにより
バイオ医薬品の上市を加速

Vicki Pandey、アジレントグローバルマーケティングコミュニケーション

バイオ医薬の遺伝子組み換えタンパク質は非常に複雑な分子であり、特有の精製技法、複雑なサンプル前処理、そして多くの場合は分解能と検出のための長い分析メソッドが必要です。効率とスループットを高め、精度を確保するには、ハイスループットプラットフォームおよび自動化ワークフローの 2 つがその手段となります。この記事では、バイオ医薬を市場に投入する際のワークフローを、改善が可能な、アジレントの自動化システムのいくつかの例について検討します。

図 1. Agilent MassHunter BioConfirm では、ペプチドマッピングデータ取り込みと分析ワークフローを自動化しています。

図 1. Agilent MassHunter BioConfirm では、ペプチドマッピングデータ取り込みと分析ワークフローを自動化しています。

Agilent MassHunter BioConfirm ソフトウェアは、
自動化されたペプチドマッピングを提供します。

ペプチドマッピング実験では、さまざまに修飾した何百ものペプチドが含まれる場合があります。自動データ処理によって、実験のデータマイニングの効率が向上します。図 1 では、Agilent MassHunter BioConfirm ソフトウェアが提供するペプチドマッピングのワークフローを示します。データ取り込み後に、クロマトグラフィー特性に基づいて化合物を自動的に抽出します。次に、化合物の表を、理論的なペプチド分解物と潜在的な修飾グループのリストと突き合わせます。それぞれのペプチドの MS/MS スペクトルは、ペプチドの b/y フラグメントによって解釈します。次に、配列カバーマップをまとめ、ワークフローの最後にペプチドマッピングレポートを自動的に生成します。

この例では、Agilent Jet Stream テクノロジーを使用する Agilent 1290 Infinity LC および Agilent 6550 iFunnel Q-TOF LC/MS で、Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラムを使用しました。この自動化ペプチドマッピングアプリケーションの詳細については、アジレント文献 5991-3600EN をダウンロードしてください。

Agilent AssayMAP Bravo では、ばらつきの少ない状態でサンプルを並行処理できます。

バイオ医薬品になる可能性のあるタンパク質の数は増え続けています。最良の候補を効率よく創薬および開発のプロセスに移すため、データに基づいて決定を下すことができるように、そのようなタンパク質を迅速かつ正確に特性解析しなければなりません。そのため、サンプルのボトルネックの削減が必要になります。ボトルネックを削減するには、共通のワークフローを使用して、スループットが低く多くの労力を必要とする現在の手動メソッドに取って代わる、より迅速で拡張性があり、かつ再現性の高いメソッドが必要です。そのワークフローには、タンパク質の精製と定量、全タンパク質質量測定、配列をカバーする分析、および翻訳後修飾の特性解析が含まれます。

Agilent AssayMAP Bravo Platform は、ばらつきを少なくして、また手作業による操作は最小限にして、さまざまな LC/MS サンプル前処理を通じてサンプルを並行して処理できるようにすることで、このような課題に対処します。

図 2. 抗体サンプル前処理のワークフロー。

図 2. 抗体サンプル前処理のワークフロー。

図 2 に、AssayMAP Bravo でのサンプル前処理ワークフローの例を示します。それぞれ 15 µg の mAb を含む 96 個に及ぶサンプルを、アフィニティ精製、溶液内分解、およびペプチド精製によって処理しました。LC/MS では、6 個のプロテオタイピックペプチドの抽出イオンクロマトグラムが生成されました。そこから相対的なタンパク質アバンダンスを推測できました。96 個のすべてのサンプルについて、5 ~ 8 % の CV を抽出イオンクロマトグラムのピーク面積から計算しました。これは、ワークフロー全体の再現性が非常に高かったことを示します。

この試験では、微粒子が含まれていない CCS 中の mAb の複製物は、並行して精製されました。その結果得られたペプチドは、C18 逆相カートリッジで精製して濃縮しました。これにより、LC/MS 分析に使用できるサンプルになりました。Agilent Poroshell 300SB-C18 カラムと AdvanceBio ペプチドマッピングカラムを搭載した Agilent 1260 Infinity バイオイナートクオータナリ LC および 1290 Infinity LC を用いました。Agilent Jet Stream テクノロジーを使用した 6550 iFunnel Q-TOF LC/MS で、必要な感度を実現できました。 詳細については、アジレント文献 5991-4872EN で、プロセスのボトルネックを回避する方法を参照してください。

アジレントのカラムにより、複雑なグリカンの高分解能分析が可能です。

遺伝子組み換え EPO (rhEPO) などのバイオ医薬品のグリカンプロファイルの詳細な特性解析は、必要不可欠です。グリコシル化における差異が、薬力学と薬物動態挙動に影響する可能性があるためです。通常、使用するメソッドは、親水性相互作用クロマトグラフィー (HILIC) です。このメソッドは、高感度の蛍光検出用 2 アミノベンズアミド (2AB) によるラベル化の後に実施します。

HILIC は、流体力学半径に従って効率的にグリカンを分離する一方で、EPO またはフェチュインなどのサンプルに見られる、分岐グリカン構造の複雑な混合物を完全に分離するには不十分です。幸いなことに、弱/強アニオン交換クロマトグラフィー (WAX/SAX) では、グリカン内の酸性単糖類の数と配置に応じて、直交性が高い分離が実施されます。分解能とピークキャパシティを高めるために、WAX および HILIC 分離を組み合わせて使用できます。まず、フェチュインを使用して、コンプリヘンシブ WAX/HILIC 2D-LC の設定を検査しました。 Agilent Bio WAX カラムによる 110 分の WAX グラジエントを一次元目に使用し、次に、4.6 × 50 mm HILIC カラムを使用して 30 秒の二次元目のコンプリヘンシブ HILIC 分析を実施しました。

図 3. フェチュインおよび EPO のコンプリヘンシブ HILIC/WAX 2D-LC 分離 (直交性が高い分離を示しています)。二次元目のイオン交換クロマトグラフィーでは、グリカンの電荷パターンが明確に示されています。

図 3. フェチュインおよび EPO のコンプリヘンシブ HILIC/WAX 2D-LC 分離 (直交性が高い分離を示しています)。
二次元目のイオン交換クロマトグラフィーでは、グリカンの電荷パターンが明確に示されています。

コンプリヘンシブ HILIC/WAX 分離を、オンラインの 2D-LC の設定で使用して、直交性と高分離を実現しました。図 3 に、HILIC/WAX 2D 分析での 2D-LC のイメージを示します。2D 分離ではピークキャパシティと分解能が高くなり、さらに HILIC 次元による多数の共溶出ピークも WAX カラムにより適切に分離されます。

Agilent 1290 Infinity II 2D-LC ソリューションは、 1260 Infinity 蛍光検出器と、HILIC カラムおよび WAX カラムの組み合わせと共に使用することで、治療用糖タンパク質の非常に複雑なグリカンに対して優れた分解能を発揮します。詳細については、アジレント文献 5991-5349EN をご覧ください。

図 3. フェチュインおよび EPO のコンプリヘンシブ HILIC/WAX 2D-LC 分離 (直交性が高い分離を示しています)。
二次元目のイオン交換クロマトグラフィーでは、グリカンの電荷パターンが明確に示されています。

アジレントのソリューションが、バイオ医薬品分野での
発見と開発を促進します。

サンプルスループットの向上、メソッド開発の加速化、サンプル前処理の自動化、または困難なバイオ医薬アプリケーションの解決を試みようとしている場合、アジレントの豊富なモジュールのラインアップから最適なシステムを構築することで、さまざまなアプリケーションに柔軟に対応することができます。多岐にわたる医薬関連液体クロマトグラフィーアプリケーションの自動化に適した、幅広い LC ツールおよびソリューション、ならびに LC/MS 機器をご覧ください。詳細については、アジレントまたはアジレント販売店にお問い合わせください。担当者が、お客様のアプリケーションに最適なツールをご紹介いたします。