Access Agilent 2015年6月号

アジレントの新しい原子分光分析標準溶液による、 最高レベルの精度と品質の実現

Melanie Rothermich
Agilent Product Manager、Chemical Standards

Alejandro Amorin
Agilent Technical Marketing Engineer

ラボの品質管理システムの構築と管理は、困難で時間のかかる作業です。ISO/IEC 17025 は、テストラボの管理および技術要件のグローバルな品質標準です。ISO/IEC 17025 の認定を受けた標準溶液のメーカーは、技術力が高く、文書化された検証済みのメソッドを使用しており、既知の不確実性を含む、精密かつ正確なテストやキャリブレーションデータを生成できることを示す必要があります。アジレントの認定無機標準溶液は、これらの厳しい要件すべてに対応しています。

すべてのサンプル測定は最初に作成した検量線に基づいて定量されるため、分析の精度はキャリブレーション標準溶液の真度によって変わります。これらの標準溶液にはコンタミネーションがあってはなりません。また最も重要なのは、最も堅牢かつ確実な技術を使用して認定されていることです。キャリブレーション標準溶液の調製に認定参照物質 (Certified Reference Materials:CRM) を使用すると、真度が上がり、トレーサビリティを確立できます。また、不確実性の測定を定量化できます。

アジレントは、ISO 9001、ISO ガイド 34 の施設で製造され、ISO/IEC 17025 のテストラボで認定を受けた、あらゆる種類の分光分析用 CRM を提供しています。これらの CRM は、次の技術を使用するメソッドで使用できます。

アジレントの CRM を使用することで、ラボの品質、純度、一貫性を確保できます。

アジレントの分光分析用 CRM の COA には、標準溶液の製造中に適用される追加の品質管理レベルが記載されています。

図 1. アジレントの分光分析用 CRM の COA には、標準溶液の製造中に適用される追加の品質管理レベルが記載されています。
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アジレントの分光分析用 CRM の COA には、標準溶液の製造中に適用される追加の品質管理レベルが記載されています。

図 1. アジレントの分光分析用 CRM の COA には、標準溶液の製造中に適用される追加の品質管理レベルが記載されています。

アジレントの CRM は NIST メソッドを使用して真度とトレーサビリティを実現

アジレントの分光分析用 CRM はすべて、米国国立標準技術研究所 (NIST) が開発した高性能分光分析プロトコル 1 を使用して認定されています。認定された濃度と不確実性の値は、両方とも NIST の標準参照物質 (SRM) にトレース可能です。NIST では、高性能 ICP-OES を使用して、NIST の SRM 3100 シリーズの分光分析標準液を認定しています。NIST は、他の標準溶液メーカーもこの技術を使用して単元素標準溶液を認定することを推奨しています。この技術を使用すると、高い精度と低い不確実性を実現し、NIST SRM 3100 シリーズに直接トレースできます。

図 1 は、アジレントの分光分析用 CRM の一般的な分析証明書 (COA) です。この COA を見ると、品質と生産性の向上に役立つアジレントの CRM の特徴がわかります。認定濃度は、COA で重量/重量 (µg/g) および重量/容量 (µg/mL) としてレポートされます。COA には、認定に使用したメソッド、用途、適切な使用手順、適切な保管条件の推奨事項が詳しく記載されています。

微量不純物は Agilent ICP-MS を使用して分析され、ICP-OES/ICP-MS 標準溶液の COA でレポートされます (微量不純物は、原子吸光標準溶液ではレポートされません。AA が単元素技術であるためです)。標準溶液の使用期限は最長で 18 か月と長く、ガイド 34 認定の要件の一部として実施される長期安定性実験によってサポートされます。

Agilent AAS、ICP-OES、および ICP-MS の標準溶液は、高純度の純物質、高純度の酸、および 18-MΩ の脱イオン水から作られています。これらの標準溶液は、出荷前に洗浄済みの高純度高密度ポリエチレン (HDPE) ボトルに詰められ、開封明示シール付きの密封ポリ袋で出荷されます。

アジレントとコノスタンのリン用のバイオディーゼル B100 標準溶液を 2 ppm (213.618 nm) で比較すると、ほぼ一致します。

図 2. アジレントとコノスタンのリン用のバイオディーゼル B100 標準溶液を 2 ppm (213.618 nm) で比較すると、ほぼ一致します。(図を拡大)

アジレントとコノスタンのリン用のバイオディーゼル B100 標準溶液を 2 ppm (213.618 nm) で比較すると、ほぼ一致します。

図 2. アジレントとコノスタンのリン用のバイオディーゼル B100 標準溶液を 2 ppm (213.618 nm) で比較すると、
ほぼ一致します。

アジレントとコノスタンのカリウム用のバイオディーゼル B100 標準溶液を 2 ppm (766.491 nm) で比較すると、トレースがほぼ一致します。

図 3. アジレントとコノスタンのカリウム用のバイオディーゼル B100 標準溶液を 2 ppm (766.491 nm) で比較すると、トレースがほぼ一致します。(図を拡大)

アジレントとコノスタンのカリウム用のバイオディーゼル B100 標準溶液を 2 ppm (766.491 nm) で比較すると、トレースがほぼ一致します。

図 3. アジレントとコノスタンのカリウム用のバイオディーゼル B100 標準溶液を 2 ppm (766.491 nm) で比較すると、
トレースがほぼ一致します。

アジレントの標準溶液による優れた結果

アジレントは、潤滑油添加剤、摩耗金属、および石油製品の作業用標準溶液の調製用に、さまざまな種類の単元素/多元素の有機金属標準溶液、バイオディーゼル標準溶液、ベースオイル、純溶媒も提供しています。アジレントの標準溶液の品質を、業界最高のコノスタンの有機金属多元素油およびバイオディーゼル標準溶液と比較しました。図 2 と 3 のシグナルを見ると、アジレントとコノスタンのバイオディーゼル標準溶液が、ほぼ完全に一致していることがわかります。分析には、リンとカリウムを使用しました。業界では、バイオディーゼルでこれらの元素を測定することが難しいと考えられているためです。

シグナル図を見ると、所定の元素について、アジレントとコノスタンの標準溶液は実質的に一致しています。また、どちらの製品でも、分析波長の発光スペクトルに大きな変化はありませんでした。このベースラインは、バックグラウンドの増加の原因となる不要な成分が、標準溶液に含まれないことを示しています。図 2 と 3 のトレースを見ると、アジレントの標準溶液が「クリーン」であり、コノスタンの標準溶液と同等であることがわかります。

優れた品質の標準溶液

アジレントの品質システムを使用すると、提供される原材料の厳密な品質管理と、標準溶液の濃度、均一性、安定性、およびレポートの詳細なバリデーションが可能です。このため、ISO 17025 の要件に準拠するために認定参照物質が必要な場合は、アジレントの CRM を使用すると、精密かつ正確なキャリブレーションデータを一貫した性能で得ることができます。アジレントの製品群からお探しください。

ISO 17025 の要件の詳細については、Dr Ludwig Huber による ISO/IEC 17025 (ラボ認定のグローバル標準) の概要を参照してください。この入門書 「Understanding and Implementing ISO/IEC 17025」は、アジレントの Web サイト (資料番号 5990-4540EN) で参照できます。

References

  1. M. Salit, G. Turk et. Al, Anal. Chem., 2001, 73, 4821-4829.