重要な農業研究を加速させる Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform

Kasia Proctor
Agilent Product Manager Automation Systems

世界人口は急速に増加し続けており、農作物の生産量を増やすことが求められています。多くの研究者が Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform を使用して、より強い植物に品種改良し、悪条件下で生存率を向上させるための研究を行っています。この記事では、2 つの例を紹介します。

  • ブラジルの企業では耐病性を向上し生産量を増加する品種を開発しています。
  • オーストラリアの大学に所属する科学者は、過酷な条件下での植物の生存のための
    プロテオミクスに基づいた研究をしています。
Alexandre Garcia 氏が率いるチームでは、Bravo Automated Liquid Handling Platform を使用して反応量と関連コストを低減しています。

図 1. Alexandre Garcia 氏が率いるチームでは、Bravo Automated Liquid Handling Platform を使用して反応量と関連コストを低減しています。

「ラボや担当者で大きな変更をしなくても容易にスループットが 10 倍向上しました」

Agilent Bravo Platform によるスループットの向上により植物育種の実験費用を削減

Tropical Melhoramento & Genetica (TMG) は、ブラジルの農業生産のTop 2の農作物である大豆と綿に特化した最先端の植物育種企業です。

「私たちは、生産量がより多く、国内のほとんどの病害に耐性のある品種を市場へ供給しています」と TMG の研究管理者である Alexandre Garcia 氏は話します (図 1)。

「弊社には、品種改良のプロセスで分子マーカーの発見とその利用に特化したチームがあります。彼らの業務は、基本的に、重要な形質に関係がある分子マーカーを発見し、そのマーカーの決められたスクリーニング系への組み込みを試みます。マーカーの有効性を確認すると、DNA パターンを基に植物の選定を始めます。」

「民間の植物育種企業として、反応量を低減することによって、スループットを向上しコストを削減する必要がありました。ただし、精度を落とすことはできません」と Garcia 氏は述べます。

彼とチームのメンバーは、 Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform を使用してこの両方を実現しました。

「システムは高速、高精度、堅牢で、操作がとても簡単です。Bravo を使用した初日から感心しました。なにしろ、箱から取り出して 15 分ほどでもう稼動を開始していましたから。」と Garcia 氏は振り返ります。

「 Agilent Bravo を導入する前は、すべての DNA 抽出および PCR セットアップを手作業で行っていました。特にプレートから別のプレートに移す作業は、スループットのとても低いプロセスであるばかりでなく、ミスの危険性が極めて高いものでした」

「私たちのアプリケーションの場合、Agilent Bravoの導入により、ラボや担当者で大きな変更をしなくても容易にスループットが 10 倍向上しました。さらに、自動分注機の使用により反応量を低減できたので、プロセス・コストも減少しました」

Agilent Bravo Platform は植物生存に関するプロテオミクス研究を加速します。

植物の品種改良は、Bravo Platform が有用となる分野の1 つに過ぎません。植物生存の分野でも極めて有用です。
西オーストラリアのウィートベルト地域の春は、朝は霜が降り、午後は猛烈に暑くなることがあります。それでも、農家はここで小麦を育てることができます。西オーストラリア大学の博士研究員、Nicolas Taylor 氏はこの現象に着目しました (図 2)。

「このような 1 日の間に 35 ℃の気温差に曝される環境でも生存できる植物がいます。生物化学的には、興味深いプロセスです」と Taylor 博士は述べています。

Fusion QbD 可視化機能を使って、メソッドが最小性能要件を満たさない設定に色を付けて表示し、メソッド開発時間を短縮

図 2. Nicolas Taylor 博士は、アジレントの機器を使用して環境条件によって変化するタンパク質を特定し、より適応可能な植物の品種改良を可能にしています。

「Agilent Bravo Platform は、セットアップがとても簡単で、ソフトウェアも容易に理解できます」

Taylor 博士とパース (そして他の地域) にいる同僚は、多量の塩分を含む土壌や極端な気温変動のような過酷な条件で生存できる植物の分子メカニズムを研究しています。

「我々はプロテオミクス・ラボの研究員で、変動する環境条件下で変化するタンパク質の特定に焦点を当てています。植物が環境の変化に適応する方法を理解することが私たちの最終目標です。それにより、迅速に新しい環境に適応できる植物を産み出すことができるからです」と、Taylor 博士は話します。

高速、正確、再現性の高いピペッティング

Taylor 博士のチームではアジレントの最先端の質量分析計 (2 台の 四重極飛行時間型システム と 2 台の トリプル四重極 システムなど) と Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform を使用して研究を行っています。

Agilent Bravo Platform はセットアップがとても簡単で、ソフトウェアも容易に理解できます。私たちはすぐに私たちのラボ独自のプロトコルの作成に取り掛かることができるので、実験がとてもうまくいっています。高速かつ正確で再現性の高いピペッティングは、私たちにとって重要な要素です。ロボットは当然人間が行うよりも、高速かつ正確にプレートをロードできるので、研究者はプレートをロードするために低温室で何時間も過ごす必要はなくなりました。今では非常に信頼性の高い結果を分析から得ることができるようになっています。さらに、ワークフローを向上できる多数の実験を計画することができるようになってきています」と Taylor 博士は話します。

コンパクト、高速、汎用性の高い Agilent Bravo Platform は研究も加速することができます。詳細については、柔軟性の高い自動化によるアプリケーション・ワークフローに関するアジレントのホワイトペーパーをお読みください。また、アジレントの製品ページ資料 (Literature)タブをクリックして 他の科学者が研究を進展させるために Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform をどのように活用しているかをご覧いただくこともできます。