Access Agilent 2014年9月号

SISCAPA とアジレントが提供する ターゲットタンパク質定量のためのソリューション

Leigh Anderson
SISCAPA Assay Technologies, Inc.

Sandy Yates
アジレント自動化ソリューション

SISCAPA は Stable Isotope Standards and Capture by Anti-Peptide Antibodies (抗ペプチド抗体による安定同位体の標準およびキャプチャ) の略称です。SISCAPA Assay Technologies 社は、アジレントの協力を得て、タンパク質バイオマーカーの高感度定量を可能にする、分析対象マーカーのプロテオタイピックペプチドを用いた技術ソリューションを開発しました。

Agilent Bravo ロボットおよび Agilent MS を用いた SISCAPA ワークフローでは、6 時間未満の高速分析が可能です。

図 1. Agilent Bravo ロボットおよび Agilent MS を用いた SISCAPA ワークフローでは、6 時間未満の高速分析が可能です。(図を拡大)

Agilent Bravo ロボットおよび Agilent MS を用いた SISCAPA ワークフローでは、6 時間未満の高速分析が可能です。

図 1. Agilent Bravo ロボットおよび Agilent MS を用いた SISCAPA ワークフローでは、6 時間未満の高速分析が可能です。

SISCAPA の仕組み

図 1.Agilent Bravo ロボットおよび Agilent MS を用いた SISCAPA ワークフローでは、6 時間未満の高速分析が可能です。

ターゲットタンパク質を含む生物由来サンプル (通常は血液や血漿) をペプチドに消化、分解し、重同位体プロテオタイピックペプチド標準を添加し、磁気ビーズでの高親和性イムノキャプチャーにより精製し、MRM (マルチプルリアクションモニタリング) 質量分析法により分析します。非標識ペプチドと標準を比較すれば、特定のタンパク質濃度を高感度に測定することができます。図 1 には、自動 SISCAPA ワークフローを示しています。血液の入った試験管から質量分析までの所要時間は 4~6 時間です。このプロセスでは、添加による血漿のトリプシン分解に続き、磁気ビーズで抗体を用いたイムノキャプチャーが行われます。400 µL までのサンプルの場合、これは 96-ウェルプレートで行われます。Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform では、プレートあたりのロボット作業の所要時間は 2 時間です。

Agilent RapidFire 365 ハイスループット MS を用いた SISCAPA ペプチドの直接注入により、きわめて優れたスループットが得られます。

図 2. Agilent RapidFire 365 ハイスループット MS を用いた SISCAPA ペプチドの直接注入により、きわめて優れたスループットが得られます。(図を拡大)

Agilent RapidFire 365 ハイスループット MS を用いた SISCAPA ペプチドの直接注入により、きわめて優れたスループットが得られます。

図 2. Agilent RapidFire 365 ハイスループット MS を
用いたSISCAPA ペプチドの直接注入により、
きわめて優れたスループットが得られます。

乾燥血液スポットにおける SISCAPA アッセイ C-反応性タンパク質およびリポ多糖結合タンパク質の急性マーカー。

図 3. 乾燥血液スポットにおける SISCAPA アッセイ C-反応性タンパク質およびリポ多糖結合タンパク質の急性マーカー。
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乾燥血液スポットにおける SISCAPA アッセイ C-反応性タンパク質およびリポ多糖結合タンパク質の急性マーカー。

図 3. 乾燥血液スポットにおける SISCAPA アッセイ C-反応性タンパク質およびリポ多糖結合タンパク質の急性マーカー。

タンパク質バイオマーカーの定量を向上

現在、タンパク質バイオマーカー定量でもっとも広く用いられている手法は、伝統的なサンドイッチ免疫測定法です。この手法では、二次抗体を用いた蛍光検出により定量を行います。こうした測定法は、交差反応、マトリックス干渉などの影響を受けることに加え、開発サイクルに時間と費用がかかるという問題があります。MRM 質量分析法と組み合わせた SISCAPA 濃縮なら、免疫測定法の欠点を回避しながら、高い感度と特異性が得られます。SISCAPA には、交差反応のリスクを冒さずにマルチプレックスを実施できるほか、免疫測定法に比べてアッセイ開発サイクルに時間と費用がかからず、分析を複雑にする要素も少ないといった利点もあります。また、SISCAPA では、マトリックス成分の含まれないきわめて純度の高いペプチドが得られるため、アッセイのスループットが高くなり、LC/MS や SPE/MS に先立つプレートベースの自動化にも対応できます。SISCAPA で濃縮したペプチドは、LC を実施せずに直接 MS に注入できるため、Agilent RapidFire 365 ハイスループット MS システムによりきわめて高いスループットが得られます。RapidFire 365 での C18 トラップからのペプチドの直接溶出により (すべてのペプチドが 1 ピーク 〜2 秒幅)、サンプル間のサークルタイムは約 7 秒になります (図 2)。

SISCAPA 分析の仕組み

図 3 には、1 人の被験者から 4年半にわたって採取した 104 の乾燥血液スポットにおける CRP (ペプチド ESDTSYVSLK) および LPS 結合タンパク質 (ペプチド LAEGFPLPLLK) の SISCAPA アッセイ結果を示しています。感染に対する CRP の反応が強く出ています (肺炎ピーク時における安定した健康時のべースラインに対する標準偏差は 370)。LPS-BP の反応はそれほど強くありません (安定したベースラインに対する標準偏差は 55)。予想されていたとおり、CRP と LPS-BP では、急性炎症マーカーに関して、強い相関性が示されています。

タンパク質化学分析におけるターゲットタンパク質定量

SISCAPA 技術は、あらゆるターゲットタンパク質定量にとって有用な技術です。これには、バイオマーカーのバリデーションや、免疫測定法から、ラボ独自の質量分析による試験への移行も含まれます。生物製剤を扱うタンパク質分析では、DMPK およびタンパク質のパスウェイ研究において治療用タンパク質や抗体、抗体複合体を測定する場合に、この統合型ソリューションが役に立ちます。

生物製剤ソリューションを提供するパートナーシップ

アジレントは SISCAPA Assay Technologies 社と協力し、このエキサイティングなソリューションを生物製剤ラボに提供しています。定量的プロテオミクスの詳細をご確認ください。高感度、拡張性、再現性、スループットの利点を備えた SISCAPA ワークフローは、血漿タンパク質バイオマーカーのルーチンマルチプレックス定量に適しています。詳細はアジレントアプリケーションノート 5991-4120EN で説明しています。また、Agilent Bravo SISCAPA ワークフローに関する無料チュートリアルビデオと、SISCAPA 技術に関するウェビナー概要もご確認ください。