Access Agilent 2014年4月号

リークを防いで GC カラムを保護する UltiMetal Plus フレキシブルメタルフェラルと セルフタイトカラムナット

By Ken Lynam
Agilent GC R&D/Applications Chemist

カラム接続部のリークは、バックグラウンドノイズの増加やクロマトグラフィの品質低下の主な原因です。新しい Agilent セルフタイトカラムナットは、レンチやアダプタを使わずにリークのない接続が可能です。アジレントでは、リークのない接続を実現し、GC 流路の完全性を高めるために、そのほかのソリューションも提供しています。今月は、Agilent UltiMetal Plus フレキシブルメタルフェラルについて説明し、どのコネクタがお客様のアプリケーションに適しているかを判断しやすくするために、Agilent セルフタイトカラムナットと比較したいと思います。

堅牢なカラム接続を実現する厳密な仕様

GC 注入口に設置するカラムの長さは、カラムへのサンプル移送やクロマトデータの再現性に影響を与えます。正確かつ再現性の高い結果を得るためには、注入口に挿入するカラムの長さを適切に測定し、注入口にカラムやリテンションギャップを設置するたびに、その長さを一定に保つ必要があります。

フレキシブルメタルフェラルは、適切なカラムの長さを測ったら、カラムチューブ上に半永久的に固定することができます。固定されたフレキシブルメタルフェラルは、スライドしたり動いたりすることがないので、測定した長さを適切に維持できます。注入口セプタムなどの手段を使って、フェラルを所定の位置に固定する必要はありません。

Agilent UltiMetal フレキシブルメタルフェラルを使えば、使用中の締め直しを心配する必要がなくなります。なぜなら、ステンレス製のため、熱サイクル中でもフィッティングの形状が維持されるためです。この新しい設計と、さらに厳密になったフェラル内径の仕様および許容基準により、他のメタルフェラルよりもトルクの少ない、安全で一貫した接続が実現します。また、高温でのカラムのポリイミドコーティングの触媒分解に起因するような、偶発的なカラム破損も排除されます。

Agilent UltiMetal フレキシブルメタルフェラルは、非シーリング側の内径の方が大きくなっているため、カラムを簡単に通すことができます。また、カラム内径によってデザインを変更している (図 1) ため、簡単に識別して、カラム内径に適したフェラルを選ぶことができます。

図 1.Agilent UltiMetal Plus フレキシブルメタルフェラルはそれぞれ形状が異なるため、カラム内径に合ったフェラルの選択が容易です。

不活性接続を実現する UltiMetal Plus フレキシブルメタルフェラル

食品、環境、法医学分野で GC/MS を扱っている方なら、活性の高い化合物の微量分析を実施する際の流路の不活性さの重要性については、よくご存じでしょう。フェラルは流路に欠かせない一部で、フェラル表面がサンプルと接触します。

複数の研究では、不活性化されていない金属のごく小さな表面が接触するだけでも、活性化合物を完全に吸着してしまうケースがあることが明らかになっています。フレキシブルメタルフェラルは、表面に UltiMetal Plus 不活性化処理が施されているため、カラムとリテンションギャップの不活性接続が実現します。この不活性接続は、Agilent Ultimate ユニオン、スプリッタ、バックフラッシュ装置などの キャピラリ・フロー・テクノロジーを使用する際に重要となります。

Agilent UltiMetal Plus フレキシブルメタルフェラルは、流路の不活性を維持するために、注入口カラム (またはリテンションギャップ) 接続にも使われます。この場合、サンプルと直接接触しないため、カラム接続に関しては、フェラルの不活性は重要ではありません。とはいえ、リークのないフィッティングは、質量分析計のトランスファラインでは不可欠です。

フェラルかナットか?

すでに述べたように、UltiMetal Plus フレキシブルメタルフェラルは、カラムの破損せずに接続することが可能です。高度に不活性化されているため微量分析にも対応でき、堅牢でリークのないカラム接続が実現します。

もう 1 つの接続方法が、Agilent セルフタイトカラムナットです。ベスペル/グラファイトショートフェラルを使用するこのカラムナットなら、高温でもリークのない接続が実現します。簡単に指で締められる設計で、締め直しの必要がありません。注入口、検出器、MS トランスファラインでの使用に適しています。表 1 では、それぞれの特徴をまとめています。

特徴

セルフタイトカラムナットと
ベスペル/グラファイトショートフェラル

UltiMetal Plus
フレキシブルメタルフェラル

使いやすさ

x

不活性さ

 

x

ハードウェアとの適合性

x

 

350 °C を超える高温での使用

 

x

キャピラリ・フロー・
テクノロジーでの接続

 

x

カラムへのフェラルの
正確な固定

 

x

フェラルの再使用

x

 

MS トランスファラインの接続

x

 

表 1.アプリケーションに応じて、セルフタイトカラムナットかフレキシブルメタルフェラルのいずれかをお選びください。