Access Agilent 2014年3月号

Agilent Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計による 固体サンプル分析の精度の向上と分析コストの削減

Travis Burt
アジレントアプリケーション – 分光分析

UV-Vis-NIR 分光分析を行う民間 のQA/QC 部門にとって、生産性の向上と分析コストの削減は大きな課題です。新しい Agilent Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計 (UMS) なら、自動化の導入により生産性を大幅に高め、固体サンプルの分析コストを削減することが可能です。終夜の無人自動測定で数百もの UV-Vis-NIR スペクトルを測定することも、光学部品や薄膜の光学特性分析を数分から数時間で行うこともできます。さらに、透過率と反射率を自動的に測定できるため、サンプルを配置しなおしたり、システム内の測定アクセサリを交換したりする時間が短縮されます。分析結果の誤りも減少します。

ここでは、Agilent Cary 7000 UMS を用いた高度な材料分析により、研究の幅を広げ、時間と費用を節約するいくつかの例を紹介します。

CBS の高速かつ精密な無人測定

キューブビームスプリッタ (CBS) は、小型の重要な光学部品で、消費財やハイテクマイクロポジショニング装置、光ファイバー通信などの分野で広く使われています。CBS のスペクトル情報は、設計段階においては光学エンジニアにとって重要な情報となり、QA/QC においては最終試験の際の効果的な品質管理指標となります。

Agilent Cary 7000 UMS では、サンプルに対する入射角と検出器ポジションをモーター駆動で自由に調節することができます。検出器はサンプルの周囲を自由に回転させることが可能です。こうしたサンプル回転と検出器位置の独立した操作により、CBS の透過率と反射率の高速かつ精密な無人分析が実現します。

Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計を用いて分析したキューブビームスプリッタの s および p 偏光の吸収率スペクトル

図 1. Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計を用いて分析したキューブビームスプリッタの s および p 偏光の吸収率スペクトル
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Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計を用いて分析したキューブビームスプリッタの s および p 偏光の吸収率スペクトル

図 1.Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計を用いて分析した
キューブビームスプリッタの s および p 偏光の吸収率スペクトル

これまで、反射率 (R) と透過率 (T) の測定には、さまざまなアクセサリが必要でした。アクセサリを付け替えた場合、測定モードにより照射ビームのスポットサイズが異なるうえに、照射ビームがサンプル上の異なるポイントを測定するため、分析結果に誤差が生じてしまいます。Agilent Cary 7000 UMS なら、サンプルを動かさずに、同じ測定ポイントで T と R を測定できるため、誤った結果が生じる可能性が排除されます。さらに、サンプルは自動で 180°回転するため、各入射角度におけるT および R を透過の位置と反射の位置で測定することができます。いずれの位置でも、サンプルを動かすことなく、同じポイントでの T および R の測定が可能です。そのため、貴重な時間を節約できます。

この例では、サンプルを動かさずに、透過率と反射率を測定することができました。一貫性の高いデータも取得できます。こうしたデータは、トータルロス (再帰性反射、内部吸収、散乱など) の解析に役立ちます。図 1 に、s および p 偏光における吸収率 (A) (A =1-T-R) を示しています。この図では、キューブビームスプリッタにおけるロスを伴う光のスペクトルプロファイルが示されています。これらの結果の詳細については、アジレントアプリケーションノート 5991-2522JAJP をご覧ください。

ガラス製品における一貫性の高い測定と分類

最近では、複合製品や特殊コーティングの進歩により、特定のニーズや環境条件、光の要件に対応するガラス製品を製造できるようになっています。また、製造者側も消費者側も、製品のエネルギー効率や、紫外線の遮断、可視光の透過、夏の断熱、冬の保温といった用途に応じた要件を重視するようになっています。比較可能で管理された手法によりガラス製品の測定や分類をおこなうために、各国の基準や国際的な規格も策定されています。Agilent Cary 7000 UMS を用いて、国際規格をもとに各種ガラスサンプルの性能を測定しました。このアプリケーションの詳細については、アジレントアプリケーションノート 5991-2514JAJP をご覧ください。

Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計で分析した建築用ガラスサンプル (厚さ 2 mm) の透過率、反射率、関連吸収率のスペクトル。s および p 偏光スペクトルデータは、いずれも入射角 60°で測定しました。

図 2.Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計で分析した建築用ガラスサンプル (厚さ 2 mm) の透過率、反射率、関連吸収率のスペクトル。s および p 偏光スペクトルデータは、いずれも入射角 60°で測定しました。(図を拡大)

Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計で分析した建築用ガラスサンプル (厚さ 2 mm) の透過率、反射率、関連吸収率のスペクトル。s および p 偏光スペクトルデータは、いずれも入射角 60°で測定しました。

図 2.Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計で分析した建築用ガラスサンプル
(厚さ 2 mm) の透過率、反射率、関連吸収率のスペクトル。
s および p 偏光スペクトルデータは、いずれも入射角 60°で測定しました。

各国際規格では、特定のレポート項目が設定されています。Agilent Cary WinUV ソフトウェアレポートでは、これらの項目を自動的に計算および表示することができます。また、各データセットを無人分析で自動的に取得することが可能です。つまり、Cary 7000 UMS を使えば、生産性が向上することがわかります。初期校正およびベースライン採取後、各データの条件設定および実行は3分以内で終了します。ユーザーの指定する入射角または反射角にてデータが測定され、同じサンプルで反射率と透過率を測定する分析において、ユーザーによる追加の操作は不要です。

迅速な測定により全体的な評価サイクル時間を短縮

Caryブランドの分光光度計は、これまでの分光分析技術の限界に挑戦する分析を望む研究者にとって標準となっています。その伝統を受け継ぐ Agilent Cary 7000 UMS は、研究および産業デザインに用いる先端材料のより詳細な分析を可能にするシステムです。優れたスループットにより、優れたシグナル/ノイズ比と優れたデータ品質が実現します。データ採取時間を短縮できるので、時間が重要なプロセスにおいて、分析結果を迅速に提供できるようになります。また、無人自動測定機能により、分析の精度が高まります。分析のやり直しをすることがないため、時間の節約にもなります。

Agilent Cary 7000 UMS をサポートするために、様々なセル、チューブ、フィッティング、消耗品のほか、必要なときにいつでも利用できる優れた技術サポートおよびサービスオプションを提供しています。材料研究の向上に関するアジレントのサービスの詳細をご確認ください。