Access Agilent 2013年11月号

PLOT カラムの粒子流出から GC を保護します

Pat Sasso、Ken Lynam、Laura Provoost
アジレント GC カラム

多孔質層オープンチューブラ (PLOT) カラムは、パックドカラムに代わって、あらゆるガス分析で用いられるようになっています [1]。30 年以上前の発売以来、多くの相が登場し、短い時間かつ優れた効率での分離が可能になっています [2]。しかし、PLOT カラムには、各種カラムオーブン条件下で生じる PLOT 相の粒子流出という、解決が必要な問題がありました。これらの問題は、データ品質の低下、スイッチングバルブの詰まり、表面の摩耗に起因するロータリーバルブシステムの損傷などに伴う分析システムの遅延の原因となります。これまで、そうした粒子流出の問題を解消するために、多くの手法が導入されてきましたが、ある種のカラムを使えば、便利な一体型のソリューションが実現します。この記事では、Agilent J&W PLOT パーティクルトラップ (PT) カラムを紹介します。このカラムは、粒子流出を防止できるように特別に設計されたものです。

多くの分析では、粒子流出に対応するために、パーティクルトラップがカラムに接続されます。たいていの場合、パーティクルトラップは、単純にキャピラリカラムの 1 セクションとして接続されます。仕組みとしては、流出した粒子を保持できる厚さのポリシロキサン相コーティングか、パックド GC カラムで用いられるような、より精密なガラスウールプラグになります [3]。

しかし、通常そうしたトラッピング装置では、「プレスフィット」式または低デッドボリュームの金属製コネクタで PLOT カラムに接続されます。どちらのタイプもリークが生じるおそれがあるため、継続的なコネクタのメンテナンスが必要です。また、時間が経つと、固定相粒子がユニオンに蓄積し、つまりが生じることがあります。

アジレントは業界で初めて、カラム両端に一体型パーティクルトラップを設置した PLOT カラムを発売しました。この Agilent J&W PLOT PT カラムは、粒子を保持し、リークの原因を排除するのに最適で、稼働時間を劇的に高めることができます。 また、必要に応じて一体型 PT カラムをトリミングして、カラム寿命を長くしたり、全体的な使いやすさを向上させたりすることも可能です。

Agilent J&W CP-Molsieve 5Å カラムを用いた固定ガス混合物の分析。パーティクルトラップを取り外した場合 (赤のクロマト) にスパイクが見られ、デュアルエンド一体型パーティクルトラップを用いた場合 (青のクロマト) にはスパイクは見られません。

図 1. Agilent J&W CP-Molsieve 5Å カラムを用いた固定ガス混合物の分析。パーティクルトラップを取り外した場合 (赤のクロマト) にスパイクが見られ、デュアルエンド一体型パーティクルトラップを用いた場合 (青のクロマト) にはスパイクは見られません。(図を拡大)

Agilent J&W CP-Molsieve 5Å カラムを用いた固定ガス混合物の分析。パーティクルトラップを取り外した場合 (赤のクロマト) にスパイクが見られ、デュアルエンド一体型パーティクルトラップを用いた場合 (青のクロマト) にはスパイクは見られません。

図 1. Agilent J&W CP-Molsieve 5Å カラムを用いた固定ガス混合物の分析。 パーティクルトラップを取り外した場合
(赤のクロマト) にスパイクが見られ、デュアルエンド一体型パーティクルトラップを用いた場合 (青のクロマト) には
スパイクは見られません。

一体型デュアルエンドパーティクルトラップを備えた Agilent J&W HP-PLOT Al2O3 KCl PT カラムによる C1~C4 炭化水素混合物の分析では、スパイクは観察されていません。

図 2. 一体型デュアルエンドパーティクルトラップを備えた Agilent J&W HP-PLOT Al2O3 KCl PT カラムによる C1~C4 炭化水素混合物の分析では、スパイクは観察されていません。(図を拡大)

一体型デュアルエンドパーティクルトラップを備えた Agilent J&W HP-PLOT Al2O3 KCl PT カラムによる C1~C4 炭化水素混合物の分析では、スパイクは観察されていません。

図 2. 一体型デュアルエンドパーティクルトラップを備えた Agilent J&W HP-PLOT Al2O3 KCl PT カラムによる
C1~C4 炭化水素混合物の分析では、スパイクは観察されていません。

クリーンで安定したベースラインを実現する PLOT カラム

1 および 2 は、一体型デュアルエンドパーティクルトラップ技術により、粒子流出が完全に排除されていることを示しています。この技術により、システムの信頼性が高まります。特に、複雑な混合物の分離を最適化する際に、バックフラッシュやハートカッティングのためにバルブを使用して複数のカラムを設置する場合には効果があります。

図 1 では、2 つの固定ガス分離結果を重ねて表示しています。1 つはデュアル一体型パーティクルトラップを用いたもの、もう 1 つはトラップを取り外したものです。この分析では、Agilent J&W CP-Molsieve 5Å、25 m × 0.53 mm カラムと熱伝導検出器 (TCD) を使用しました。一体型パーティクルトラップにより、厄介なスパイクが防止されていることが明らかに見てとれます。

図 2 では、Agilent J&W HP-PLOT Al2O3 KCl PT GC カラムにより炭化水素を分析しています。このケースでも粒子流出は見られません。この分析では、フレームイオン化検出器 (FID) とフィルム 15 µm の 50 m × 0.53 mm カラムを使用しました。

幅広い PLOT カラム相により分析を最適化

Agilent J&W PLOT PT GC カラムの両端に組みこまれた一体型のパーティクルトラップ技術により、ダウンタイムが減少し、詳細な定性および定量分析に GC/MS を利用できるようになります。Agilent J&W PLOT PT GC カラムは、両端に一体型パーティクルトラップ技術を備えた唯一の PLOT カラムです。炭化水素処理、環境 (空気)、法医学、食品などのアプリケーションにおける軽質ガスや溶媒、その他の揮発性有機化合物の分析に最適です。

アジレントは、パーティクルトラップカラムのラインナップを常に拡大しています。最近では、多孔質ポリマー、酸化アルミナ、モレキュラーシーブといった PLOT が追加されました。次のような製品を取り揃えています。

  • CP-Al2O3/KCl PT および CP-Al2O3/Na2SO4 PT
  • GS-Alumina PT および GS-Alumina KCl PT
  • HP-PLOT Al2O3 S PT および HP-PLOT Al2O3 M PT
  • CP-Molsieve 5Å PT

アジレントでは幅広いカラム構成を用意していますが、Agilent J&W GC カスタムカラムショップでは、特定のニーズに応じたカスタムカラム構成を注文することもできます。

Agilent J&W PLOT PT カラムによるガス分離の向上の詳細をご確認ください。また、ガス分析(英語)および C4 炭化水素(英語)におけるパーティクルトラップ技術の利点を説明した最新のアプリケーションノートもご覧ください。

References

  1. V. Giarrocco, R. Firor. “Trace Level Hydrocarbon Impurities in Ethylene and Propylene.” 5965-7824E (2000).
  2. Z. Ji. “GC/TCD Analysis of a Natural Gas Sample on a Single HP-PLOT Q Column.” 5966-0978E (2000).
  3. Z. Ji, I. Chang, A. Broske. Optimized Determination of C1-C6 Impurities in Propylene and Ethylene using HP-PLOT/Al2O3Columns. 5962-8417E (2000).