Access Agilent 2013年9月号

品質管理の分析コストと時間を大幅に軽減する Agilent 1290 Infinity LC システム

Vogelsanger 博士
Nitrochemie AG、スイス

Christian Gotenfels
アジレントシニア製品マネージャ、UHPLC システム

お客様のプロフィール:
Nitrochemie AG、スイス

Rheinmetall Defence 傘下の Nitrochemie グループは、推進剤部門に属しています。Nitrochemie の中核業務は、軍用および民間用の推進剤の製造開発、シリコーンシーリング材の化学中間物および添加剤の製造です。

現代の品質管理 (QC) ラボは、つねに生産性向上のプレッシャーにさらされています。Nitrochemie 社も例外ではありません。化学製品の品質管理や環境規制に従った工業廃水の分析を責務とする Nitrochemie の QC ラボは、分析あたりのコストを削減し、測定時間を短縮しながら、廃水分析の感度を向上させなければならないという困難に直面していました。

こうした目的を達成するために、ラボのマネージャを務める Vogelsanger 博士は、Agilent 1290 Infinity LC を含めた複数の UHPLC システムを評価しました。博士が選んだのは、アジレントのシステムでした。決め手となったのは、ポンプのパワーレンジが広く、ディレイボリュームが少なく、検出器の感度が高いことでした。

継続する効果

Agilent 1290 Infinity LC の導入により、Nitrochemie のラボでは、以下の効果が得られています。

  • 全ての装置を所有するコストを年間推定 10 万スイスフラン (およそ 1,100万円) 削減
  • 10~20 分だった分析時間を 2 分未満に短縮
  • 廃水分析において、これまでの 100 分の 1 の検出下限が実現

もっとも目立った効果は、5 台の古い HPLC システムを、1 台の Agilent 1290 Infinity UHPLC システムに置き換えられたことです。

1290 Infinity LC は、アジレント最高のパワーレンジを備えています。最高 1200 bar (120 MPa) の超高圧と最高 5 mL/min の流速の組み合わせにより、最高のクロマトグラフィー性能、互換性、柔軟性、費用対効果が実現しています。

図 1.1290 Infinity LC は、アジレント最高のパワーレンジを備えています。最高 1200 bar (120 MPa) の超高圧と最高 5 mL/min の流速の組み合わせにより、最高のクロマトグラフィー性能、互換性、柔軟性、費用対効果が実現しています。(図を拡大)

1290 Infinity LC は、アジレント最高のパワーレンジを備えています。最高 1200 bar (120 MPa) の超高圧と最高 5 mL/min の流速の組み合わせにより、最高のクロマトグラフィー性能、互換性、柔軟性、費用対効果が実現しています。

図 1.1290 Infinity LC は、アジレント最高のパワーレンジを備えています。
最高 1200 bar (120 MPa) の超高圧と最高 5 mL/min の流速の組み合わせにより、
最高のクロマトグラフィー性能、互換性、柔軟性、費用対効果が実現しています。

採用基準

Vogelsanger 博士は複数の UHPLC システムを評価しましたが、以下の情報をが決め手となり、Agilent 1290 Infinity LC システムを採用しました。

UHPLC 導入への問題を解決

ラボへ UHPLC を導入するにあたり、いくつかの問題を解決する必要がありました。「使いにくい」5 µm カラムから最先端のサブ-2-µm カラムの使用へ移行するには、これまでよりも細心の注意を払って微生物混入のないクリーンな水や溶媒を使用し、注入システムの汚染を避ける必要がありました。また、ディレイボリュームが大幅に増加して分離能が低下することのないように、すべての接続をきわめて慎重に行わなければなりませんでした。感度が高いということは、サンプル中の多くの微量成分が検出されるということを意味します。つまり、「新たに検出される」ピークを分析対象物のピークから分離してはじめて、感度向上の恩恵を享受できるというわけです。

しかし、最大の難問は、サブ-2-µm カラムの使用に伴う、背圧の急激な増大に対処しなければならないことでした。こうした圧力の増大は、カラム注入口フリットの詰まりや、特定のサンプルマトリックス (ニトロセルロースベースの推進剤) のコロイド状ポリマー成分が原因と考えられます。この問題は、使用するカラムを Agilent Poroshell 120 などの表層多孔性カラムに交換するだけで解決しました。この種のカラムは注入口フリットの目が粗いため、「汚い」なサンプルの影響を受けにくくなります。

これらの問題が解消されたあと、Agilent 1290 Infinity LC は Vogelsanger 博士の予想を超える効果を発揮しました。

ラボの生産性の向上

Agilent 1290 Infinity LC の導入により、Vogelsanger 博士のラボでは、複数の分析メソッドで 10~20 分だった分析時間を 2 分未満に短縮することができました。この時間短縮により、ラボに5 台あった従来の HPLC システムをわずか 1 台の Agilent 1290 Infinity LC に置き換えることが可能になりました。溶媒使用量が劇的に減少したことと合わせて、年間の総所有コストは推定 10 万スイスフラン (約 1,100万円) も削減されました。

また、分析結果を 1 日早く提供できるようになったため、ラボの顧客も分析時間短縮の恩恵を受けています。
さらに、Agilent 1290 Infinity ダイオードアレイ検出器の優れた感度により、廃水分析の検出下限が 100 分の 1 に引き下げられました。これにより、各規制に従った組織内評価が可能になりました。

Agilent 1290 Infinity DAD の光学設計は、光路長 60 mm の Max-Light カートリッジセルをベースにしています。この新しいセル技術により、非コーティングフューズドシリカファイバーの全反射を活用することで、光透過率が大幅に向上しています。

図 2. Agilent 1290 Infinity DAD の光学設計は、光路長 60 mm の Max-Light カートリッジセルをベースにしています。この新しいセル技術により、非コーティングフューズドシリカファイバーの全反射を活用することで、光透過率が大幅に向上しています。
(図を拡大)

Agilent 1290 Infinity DAD の光学設計は、光路長 60 mm の Max-Light カートリッジセルをベースにしています。この新しいセル技術により、非コーティングフューズドシリカファイバーの全反射を活用することで、光透過率が大幅に向上しています。

図 2. Agilent 1290 Infinity DAD の光学設計は、光路長 60 mm の Max-Light カートリッジセルを
ベースにしています。この新しいセル技術により、非コーティングフューズドシリカファイバーの全反射を
活用することで、光透過率が大幅に向上しています。

新しい技術 (図 2) の潜在能力を引き出すために、いくつかの分析メソッドの設計を全面的に見直しました。あるケースでは、同一サンプル中の 4 種類のターゲット化合物の分析に用いていた 4 種類の HPLC メソッドを、1 つの UHPLC メソッドに統一することができました。HPLC メソッドでは、いくつかの化学的な分解工程を経た後、異なるカラム (C18 や CN) を用いたアイソクラティック分離、UV 検出器および蒸発光散乱検出器の両方を用いた検出がおこなわれていました。それに対して、UHPLC メソッドは、最適化した化学分解、標準的な C18 カラムによるグラジエント分離、Agilent 1290 Infinity ダイオードアレイ検出器の広い直線性範囲を用いた UV 検出をベースにしています。

将来を見越して

メンテナンスすべき LC システムが 5 台から 1 台に減ったことで、Vogelsanger 博士は、将来的にサービスコストを大幅に削減できると期待しています。さらに、高性能の Agilent システムなら、新たな製品開発から生じる分析上の問題にも容易に対処できるはずです。

Vogelsanger 博士のように、分析あたりのコストを削減しながら、最適な LC 性能を手に入れてみませんか?メソッドを Agilent 1290 Infinity LC システムに移行した場合のコスト削減幅の詳細をご確認ください。また、アジレントの新しいメソッド変換およびコスト計算ツールもお試しください。このツールでは、お客様それぞれのコストを計算し、結果をすぐに確認することができます。