Agilent ZORBAX Rapid Resolution High Definition (RRHD) ワイドポア 300Å カラムは、タンパク質の特定や翻訳後修飾の定量を確認するための一次構造分析に適したカラムです。また、生物医薬品タンパク質の発見や開発、生成といったアプリケーションにおける不純物プロファイリングでも優れた効果を発揮します。
選択肢の幅を広げ、全体的な分析結果の最適化を支援するために、アジレントは多くの新しい ZORBAX カラム相を追加しました。これらの新しい C18、C8、C3 相では、Agilent 3.5 µm および 5 µm 300Å カラムと同じ StableBond ケミストリが用いられています。また、ポアサイズの広い新しい Diphenyl 相 300Å ZORBAX 粒子カラムでは、Agilent Pursuit XRs 100Å および 200Å カラムのジフェニルケミストリが用いられています。
C18 相は、タンパク質消化物や低分子タンパク質のペプチド断片の主要分析に適したスタンダードな逆相構造です。C8 相は、抗体などの大きなタンパク質の分離と回収を向上します。C3 相は、MAb などの大きな疎水性タンパク質で選択性やピーク形状、回収率などの選択肢を広げます。さらに、Diphenyl 相を使えば、MAb や芳香族アミノ酸との pi-pi 相互作用により選択性が広がるという利点が得られます。
タンパク質アプリケーションに適した相を選択し、分析結果を最適化
下の図は、Agilent ZORBAX RRHD バイオカラムファミリのアプリケーションの一部を示しています。図 1~4 は、4 種類の相において、タンパク質と分解生成物を 2 分未満で分離できることを示しています。図 5 では、C18 相と Diphenyl 相でのカラムの選択性を評価しています。Diphenyl 相では、C18 相に比べて全体的に分離能が向上しました。表 1 では、C18 および Diphenyl カラムの性能パラメータを示しています。
図 1. Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C3 2.1 x 50 mm、1.8 µm カラム (図を拡大)。
図 2. Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C8 2.1 x 50 mm、1.8 µm カラム (図を拡大)。
図 3. Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C18 2.1 x 50 mm、1.8 µm カラム (図を拡大)。
図 4. Agilent ZORBAX RRHD 300-Diphenyl 2.1 x 50 mm、1.8 µm カラム (図を拡大)。
図 5. Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C18 および 300-Diphenyl 2.1 x 50 mm、1.8 µm カラムを用いて分離した標準タンパク質と分解生成物の比較のベースライン拡大図 (図を拡大)。
タンパク質 |
Diphenyl |
C18 |
Diphenyl |
C18 |
リボヌクレアーゼ A |
1.35 |
1.41 |
50816 |
39977 |
シトクロム C |
1.56 |
1.66 |
63533 |
60757 |
リゾチーム |
1.85 |
1.90 |
92272 |
83890 |
表 1. 2 つの Agilent ZORBAX 300Å バイオカラムの性能特性
最適化の機会を拡大
ZORBAX バイオカラムファミリの拡充により、特定のアプリケーションに適したカラムをより簡単に見つけられるようになりました。これらのカラムでは、定評のある StableBond 技術を活用しているため、トリフルオロ酢酸またはギ酸移動相修飾剤を用いたタンパク質やペプチドの分離において、カラム寿命を短縮させることなく、低 pH での安定性と対称的なピークが得られ、UV 検出でも MS 検出でも安定したベースラインが得られます。これらの新しいカラムではカラム効率が向上しているため、分離能が向上し、より堅牢な翻訳後修飾の定量が実現します。
充てんプロセスの向上により、Agilent 1290 Infinity LC を用いた場合に最高 1200 bar までの圧力安定性が得られます。高速分離や高分離能を実現する長さ 50 および 100 mm の Agilent ZORBAX RRHD 300Å 1.8 μm カラムなら、きわめて複雑なサンプルでも分離することが可能です。これらのカラムを使えば、UHPLC 性能のあらゆる利点をタンパク質分析に導入し、生産性を向上しながら、全体的な分析結果の信頼性を最大限に高めることができます。
適切な Agilent ZORBAX カラムを選択すれば、優れたタンパク質分析に求められる堅牢で再現性の高い分離が実現し、全体的な分析結果を向上させることが可能です。詳細については、こちらをご覧ください。