Access Agilent 2011年2月号

Poroshell 120 カラム: バイオファーマ、食品安全性、環境分析の生産性を向上

Maureen Joseph
事業戦略・開発マネージャ、HPLC カラム

コスト削減意識の高いラボは、アプリケーションの難易度にかかわらずサンプルスループットを向上できる高速 LC 分析をつねに求めています。Agilent Poroshell 120 カラムは、発売開始後、非常に短い期間で製薬分野のクロマトグラフィ分析に導入されました。これは、このカラムが分析時間を劇的に短縮し、多くの場合、それと同時に分離能も向上するためです。表面多孔質の 2.7 µm 粒子は、カラム効率を向上させますが、2 µm 未満のカラムよりも背圧を低く抑えることができます。こうした利点を備えた Poroshell 120 は、食品安全性や環境、バイオファーマなどのアプリケーションにも最適なカラムです。

図 1. Poroshell 120 EC-C18 カラムを用いた飲料添加物の高速低圧分析。分析時間が 80 % も短縮されています (図を拡大)。
図 2. オリジナルメソッドに比べて、Agilent Poroshell 120 カラムを用いた抗体混合物のダイナミック MRM 分析では、スループットが 5~10 倍向上しています (図を拡大)。
図 3. Poroshell 120 EC-C18 カラムを用いたこのフェノール分析では、5 µm カラムを用いたオリジナルメソッドに比べて、ピークキャパシティが保たれたまま、分離スピードが劇的に向上しています (図を拡大)。
図 4. Poroshell 120 SB-C18 カラム (3.0 x 150 mm) を用いた mAb ペプチドマッピング分析では、従来の 5 µm カラムに比べて分析時間が大幅に短縮され、分離能が向上しています (図を拡大)。

食品安全性および環境分析、
マトリックスの多いサンプルへの耐性が向上

2 µm 標準フリットを備えた Poroshell 120 カラムは、食品分析や環境分析で一般的なマトリックスの多いサンプルへの耐性に優れています。2 µm 未満のカラムよりもつまりにくく、また、つまりが生じた場合にはバックフラッシュをおこなうことができます。一般に、マトリックスの多いサンプルを分析する場合の Poroshell 120 カラムの寿命は、2 µm 未満のカラムよりも長くなります。

従来の 5 µm カラムと比べた場合、Poroshell 120 は、一般的な食品アプリケーションの時間を劇的に短縮できます。図 1 に示す飲料分析では、分析時間が 80 % も短縮されています [1]。Poroshell 120 カラムでは、高流速を用いて分析をスピードアップすることができます。また、最高 600 barまでの背圧で、分離能を高めることも可能です。

さらに、カラム効率の高い Poroshell カラムは、LC/MS アプリケーションにも最適です。食品安全性や環境などの分析では、最近LC/MSが分析に用いられることがますます多くなっています。図 2 には、5 µm カラムおよび UV 検出メソッドから、Poroshell 120 カラムおよび MS/MS 検出メソッドに変換したマルチプルリアクションモニタリング (MRM) 分析を示しています [2]。メソッド変換により、サンプル前処理方法の変更を最小限に抑えながら、スループットを 5~10 倍向上させることが可能です。

サンプル前処理方法を変更せずに LC 分析時間を短縮

Poroshell 120 カラムは、大きなフリットサイズを備え、 マトリックスの多いサンプル分析の耐久性が 2 µm 未満のカラムよりも優れています。こうした特長は、食品安全性分析だけでなく、環境分析にも適しています。

Poroshell 120 カラムの 2 µm フリットは、従来の 5 µm カラムで使われているものと同じポアサイズを備えています。そのため、特別なサンプル前処理をおこなわなくても、カラム効率の高い Poroshell 120 カラムにメソッドを変換できます。図 3 に示す分析では、9 種類のフェノール化合物を分離する従来のグラジエントメソッドを、Agilent Poroshell 120 EC-C18 カラム (4.6 x 100 mm) 用のメソッドに変換しています。この新しいカラムでは、ピークキャパシティ (nc) を保ったまま、時間を 10 分の 1 近くも短縮できます [3]。また、カラム圧力は 5 µm 粒子を用いたオリジナルメソッドよりも高くなっていますが、それでも 400 bar を下回る程度にとどまっています。そのため、一般的な LCを用いてこのメソッドを実行することができます。必要であれば、メソッドをさらに最適化して、超高耐圧 LC (UHPLC) や 高耐圧LC(600 bar) に対応することも可能です。

ペプチド分析を高速化

Poroshell 120 カラムで実現するもっとも優れたアプリケーションの 1 つが、ペプチドマッピングです (図 4)。ポアサイズが 120 Å の Poroshell 120 粒子は、抗体やタンパク質の高速ペプチドマッピングに最適です。このポアサイズにより、大小のペプチドフラグメントを迅速かつ効率的に分離することができます。

Agilent Poroshell 120 SB-C18 カラムは、LC/MS ペプチドマッピングの分析時間を大幅に短縮すると同時に、性能と再現性の高いペプチド分離を実現します。高効率の 2.7 µm 表面多孔質粒子と、比較的大きなポアサイズのフリットという組み合わせを備えた Poroshell 120 は、モノクローナル抗体 (mAb) 分解物などの複雑なサンプルの分析に最適なカラムです。詳細については、LCGC で公開されているアプリケーションノートの完全版 (PDF) をご覧ください。

現在お持ちの一般的なLC機器で高速 LC 分析を実現したい方、マトリックスの多いサンプルや複雑なサンプルを分析する必要のある方は、Agilent Poroshell 120 カラムの導入をご検討ください。Poroshell 120 アプリケーションのページでは、各業種における最新アプリケーションのリストをご覧いただけます。

参考文献

  1. Anne E. Mack and William J. Long, "Fast, Low Pressure Analysis of Food and Beverage Additives Using a Superficially Porous Agilent Poroshell 120 EC-C18 Column," Agilent publication number 5990-6082EN, July 2010.
  2. William J. Long, Anne E. Mack, and James R. Evans, "Transfer and Optimization of Existing Methods for Analysis of Antibiotics in Meat to Agilent Poroshell 120 EC-C18 Columns using MS/MS Detection," Agilent publication number 5990-6238EN, August 2010.
  3. William J. Long and Anne E. Mack, "Fast Analysis of Environmental Phenols with Agilent Poroshell 120 EC-C18 Columns," Agilent publication number 5990-6156EN, August 2010.