Access Agilent 2011年2月号

科学を簡単に:タンパク質精製およびベンチトップアッセイ自動化のための新ツール

Marc Valer
アジレント製品マネージャ、Integrated Systems、Agilent 自動化ソリューション

タンパク質精製や、次世代シーケンシング、シトクロム P450 アッセイなど、さまざまな研究をおこなうラボでは、数多くある手動ステップを減らすことが求められています。手動ステップは、コストがかかるうえに、分析のばらつきの原因にもなります。Agilent 自動化ソリューションでは、ラボのプロセスを自動化してスループットを高め、エラーのない一貫した分析結果を提供する新ツールの開発を続けています。

図 1. 新しい Agilent BenchBot ロボットなら、あらゆるプレートハンドリング作業をベンチトップで簡単に自動化できます。
図 2. Agilent Bravo の新しい Bravo 96AM ヘッドは、マイクロクロマトグラフィチップを用いて、プロテイン A による超高速同時タンパク質精製に対応します。
図 3.Agilent BioCel System と新しいアクセサリを組み合わせれば、生産性やアクセス性が向上し、柔軟な構成が可能になります。

先ごろおこなわれた Association of Laboratory Automation (ALA) の年次会議で、アジレントは革新的な機器を発表しました。これは、ハイスループットのサンプル前処理に対応する、Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform 用のマイクロクロマトグラフィヘッドと、定評のある Agilent BioCel System の柔軟性と汎用性をさらに高めるベンチトップロボットです。

アッセイを自動化し、時間を節約するベンチトップロボット

小規模から中規模のアッセイをおこなっている多くのラボにおいて、ベンチトップでの操作の自動化を可能にするには、小さな設置面積と柔軟性の高さを備えたロボットが必要です。新製品の Agilent BenchBot ロボット (図 1 参照) は、ベンチトップでのアッセイを自動化するための新しいソリューションの核となるものです。コストが比較的安く、比類のない使いやすさと柔軟性を備えた BenchBot は、大量のプレートの保存、プレートハンドリング、液体のハンドリングなどの操作を自動化します。また、アジレントの機器だけでなく他社製の機器でも統合することができ、縦型と横型いずれのマイクロプレート配置にも対応します。BenchBot ロボットは、大型の統合型プラットフォームに匹敵する性能と柔軟性を、ベンチトップで実現します。

バイオプロセスの開発を加速させるハイスループット分析

細胞培養による抗体産生を最適化する必要がある場合、プロテイン A 親和性 HPLC が最適な測定手法になります。このメソッドはきわめて信頼性の高いものですが、スループットが低いため、バイオプロセス開発のネックになっています。新しい Agilent Bravo for Protein Purification は、定評のある親和性ケミストリを用いることで、この問題を解決します。AssayMAP マイクロクロマトグラフィ技術を採用することで、正確かつハイスループットでの抗体の精製およびタイターを可能にします。新しい Agilent Bravo 96AM ヘッド (図 2 参照) は、既存の Agilent Bravo 分注機に対応しています。また、インラインのタンパク質精製や、今後販売を予定しているAssayMap ターンキーアプリケーションにも対応できるようになっています。

次世代シーケンシングのスループットと品質を向上

次世代シーケンシング (NGS) では、これまで以上に効率よくゲノム全体の配列を分析できますが、その一方で、一般的な NGS のワークフローでは、液体の分注ステップが無数に繰り返されます。そのため、NGS をおこなうラボでは、システムを自動化することにより、スループットを高めるだけでなく、ばらつきを減少させることもできます。前述のALAでは、Agilent 自動化ソリューションの革新的な Automated Next Generation Sequencing Sample Preparation Workstation (自動次世代シーケンシングサンプル前処理ワークステーション) が紹介されました。このプラットフォームは、アジレントの SureSelectXT によるライブラリの前処理やターゲットの濃縮のステップを自動化します。このプラットフォームにより、NGS の操作時間を 80 % 以上も短縮し、1 週間あたり最大 192 サンプルの前処理を自動でおこなうことができます。

革新的なコンポーネント、フレキシブルな構成

Agilent 自動化ソリューションでは、ハイスループットの統合型プラットフォームに対応する革新的なツールも発表されました。たとえば、Agilent BioCel System (図 3) では、新しい Agilent Labware MiniHub が登場しました。これは、取り外しが可能プレートホテルやスライド式シェルフなどにより、アクセス機能を拡張するもので、約 36 kgまでの機器に対応することができます。また、Liconic の新しい超高速インキュベータの統合も実現しています。

BioCel System への新しいアクセス機能により、機器のメンテナンスやオフラインでの使用が容易になります。可動性や柔軟性が高まるので、アッセイのニーズに合わせて、ロボットプラットフォームの構成を迅速に変更することが可能です。図 3 は、BenchBot のドッキングテーブルと連結した Agilent BioCel 1200 を示しています。このドッキングテープルは、それだけを個別に動かして、必要に応じてマイクロプレートリーダーに連結することもできます。これらのコンポーネントは、単体で使うことも、さまざまな組み合わせで使うこともできるので、ラボの柔軟性を最大限に高めることが可能です。

将来の自動化を検討していて、柔軟性の高い革新的でコンパクトな機器を求めている方は、Agilent 自動化ソリューションの Web ページで、新製品の詳細をご覧ください。ALAでのワークショップの記録やポスターも紹介しています。