Access Agilent 2010年4月号

UHPLC に理想的なシングル LC/MS!新製品 Agilent Jet Stream テクノロジー搭載シングル四重極 MS

Wayne Duncan
アジレント LC/MS プロダクトマネージャ

早期創薬分析を行っているラボおいて、高いデータ品質を維持しながら LC/MS サンプルスループットを向上させることは重要です。そのためこれらのラボでは、より高速なクロマトグラフィ/超高性能液体クロマトグラフィ (UHPLC) への移行が注目されています。UHPLC を利用した生産性向上により、質量分析計 (MS) の性能に対して新たな要件が生じました。超高速 UHPLC 分析によって生成された極めて狭いピークに対して求められる優れた品質のデータ提供を新製品シングル四重極MSが実現します。

Pittsburgh Conference (通称:ピツコン) 2010 で発表された Agilent 6100B シリーズシングル四重極 LC/MS システムのラインアップに、Agilent Jet Stream サーマルグラジエントフォーカステクノロジーを搭載した Agilent 6150 シングル四重極が加わりました。Agilent 6150 と Agilent 1290 Infinity LC システムとの組み合わせにより、創薬ラボで求められる超高速クロマトグラフィに完全に対応します。Agilent Jet Stream テクノロジーは、非常にシャープで幅の狭いピーク形状や優れた分離度を保ったまま、化学物質の効率的なイオン化を実現します。

図 1. 10,000 amu/秒のスキャン速度と高速 POS/NEG 極性切り替えでも、Agilent 6150 シングル四重極はChlorine含有化合物である dichlofenac において適切な同位体比を提供します。測定値と理論上の同位体パターンは、ポジティブモードとネガティブモードの両方で一致します(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 2. Agilent Jet Stream テクノロジーで TIC ピーク幅が約 15 % 向上し、シグナル強度が大幅に増加します(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 3. Agilent Jet Stream テクノロジーは、イオン化効率を高めて分子量の確認を簡単にし、APCI またはマルチモードイオン源と比較し、様々な化合物に対して高いイオン効率と、狭いピーク幅でのデータ採取が可能となります(画像を拡大するにはここをクリックします)。

非常に高速なクロマトグラフィの結果に対しても最高の信頼性

UHPLC では、アプリケーションによっては分析時間が 1 分以下、クロマトグラフィピーク幅が 1 秒以下になります。その高速なクロマトグラフィに対応し、かつ、優れた品質のデータ取得が可能であることが、質量分析への要求事項です。Agilent 6150 シングル四重極は、卓越したデータ品質を維持しながら、10,000 amu/秒でのスキャンが可能です。図 1 に、ピーク幅 1 秒未満の Chlorine 含有化合物のデータを示します。35Cl、37Cl、および 13C の同位体比も正確です。この高品質のデータにより、複雑な合成反応混合物質で適切な化合物の同定が可能となります。

クロマトグラフィピーク分離の向上による、
より高精度な同定結果

ほとんどの創薬ラボでは、ダイオードアレイ検出器などの UV 検出器を質量分析計と共に使用します。信頼性の高い結果を得るためには、UV 検出器と質量分析計の間のピークの広がりを最小化して、化合物同定の誤りやピーク拡散によってメインピークのテール内に微量化合物が埋もれてしまうことを回避することが重要です。図 2 に、ピーク幅 1 秒未満の、高速 LC 条件下で分析されたサルファ剤混合物質分析での 6150 性能を示します。標準のエレクトロスプレー (ESI) イオン源と比較した場合、Agilent Jet Stream テクノロジーを搭載した 6150 イオン源を用いることで、トータルイオンクロマトグラム (TIC) の約 15 % ピーク幅の拡散を抑えることが可能です。また、感度は約 6 倍向上しました。

より優れたイオン化効率により、1 回の分析で
より多くの化合物を検出可能

創薬ラボは、一般に、広範囲の新薬候補物質の分子量を確認する必要があります。通常、ESI や大気圧化学イオン化 (APCI) など、最適なレスポンスが得られるイオン化条件を予測することは簡単ではありません。Agilent Jet Stream テクノロジーは、ESI や APCI 単独よりも広い範囲の化合物に対して効率的なイオン化を提供します。これにより、別のモードでサンプルを再分析して改善されたイオン化をチェックする必要性が最小限に抑えられ、サンプルスループットが大幅に向上します。化合物の最適なイオン化範囲と最も狭いピーク幅の APCI およびマルチモードソースとの比較を図3 に示します。Agilent Jet Stream テクノロジーにより化合物が失われる可能性が低くなることがわかります。

あらゆるラボのニーズに合わせて拡張できる
Agilent 6100B シリーズ

新しいシングル四重極ファミリは、6150 に加えて、質量分析を始めたばかりのラボから最も高度な質量分析ラボまでのニーズに合った 2 つのモデルから構成されています。

  • Agilent 6120B は、UV データに質量量情報を追加したいユーザーに理想的な、最も使いやすいシングル四重極です。たとえば、QA/QC ラボで質量分析計を使用して UV クロマトグラムと同時に不純物の同定結果を得ることにより、UV クロマトグラム採取とは別に質量分析を行うプロセスに比べて時間を大幅に節約できます。

  • 非常に柔軟な Agilent 6130B は、際立った感度と質量範囲を備えているため、幅広い分子量の化合物の定量分析を行うラボに最適です。

Agilent 6100B シリーズシングル四重極モデルでは、ラボのニーズが変化したとき、最高性能のモデルへのアップグレードが可能なため、投資を抑えることができます。この新しい機器ファミリの詳細については、アジレントの製品ページをご覧ください。