Access Agilent 2010年2月号

HPLC のヒント: サブ 2ミクロン粒子のLCカラム充填剤による幅広い流量範囲での効率的な分離

Dawn Stickle
アジレント LC アプリケーションケミスト

サンプル量の増加に直面している多くのラボでは、従来の HPLC カラム (一般に 4.6 mm × 15 cm または 25 cm、5 µm 粒子を充てん) 向けに開発された HPLC メソッドを相手に苦戦を続けています。このようなラボでは、可能であれば古いメソッドを変更し、クロマトグラフィ性能を犠牲にすることなく分析時間を短縮することを望んでいます。クロマトグラフィの理論では、5 µm 粒子を使用したカラムの場合、流量が 0.8 mL/min のときに最高のカラム効率を達成できると言われていますが、実際の線速度は 2 mL/分を超えることが頻繁にあります。その結果、カラム効率が低下し、シャープなピークが得られません。カラム効率を回復する最も簡単な方法は、粒子サイズの小さいカラムに変更することです。

LCカラムに3.5 µm 粒子を使用することで分析時間を 3 分の 1 に短縮

分離能を低下させずに分析速度を上げるには、さまざまな方法があります。2 µm または 2.5 µm 粒子を使用することもできますが、これらの粒子は、高い流量ではその効率を維持することができません。また、これらの粒子の効率は、実は背圧の小さい 3.5 µm 粒子と同等です。また、別の方法として、1 つの硬質または半硬質の多孔性ロッドで構成されたモノリスカラムがあります。モノリスカラムは幅広い流量範囲でそのカラム効率を維持しますが、このカラム効率も 3.5 µm 粒子と同等です。以上のことから、3.5 µm の粒子を使用することが近道と言えます。3.5 µm 粒子が充てんされた15 cm のカラム効率は、5 µm の粒子が充てんされた 25 cm のカラムと同じです。しかし、分析時間が 33% 短縮されるという利点があります。同じ充填剤の種類を使用すれば、選択性に変化はなく、メソッドの開発も不要です。

図 1. 小さい粒子の充填剤に変更すると同時にカラムを短くすることで、分析時間を短縮し、溶媒の使用量を削減することができます(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 1. 小さい粒子の充填剤に変更すると同時にカラムを短くすることで、分析時間を短縮し、溶媒の使用量を削減することができます(画像を拡大するにはここをクリックします)。

1.8 µm 粒子でさらに時間を短縮

この概念をもう一歩進めて、1.8 µm の粒子が充てんされた 75 cm のカラムを使用すると、分析時間を 66% 短縮することができます。2 µm 未満の粒子の利点は、これらの粒子が広い線速度範囲で高い効率を維持することです。従って、高い流量を使用して分析時間をさらに短縮することができます。この例では、流量を 2 倍にすることで生産性が 6 倍に向上しています。カラムを短くする他の利点として、溶媒の消費量と廃棄量も大幅に削減されることも挙げられます。

簡単なメソッド調整

小さい粒子の充填剤を使用する場合は、メソッドをわずかに変更しなければならないことがあります。アイソクラティック分析では、カラムの交換という簡単な操作だけで分析時間を短縮できます。ただし、グラジエント分析で分離能を維持するには、カラムの長さが短くなるにつれて (または流量が増加)、 グラジエント時間も短縮する必要があります。短いカラムに変更する場合は、注入量も減らす必要があります。

図 2. 1290 Infinity LC は、選択した粒子サイズとカラムの長さを最大限に活用できるように、1200 bar までの動作が可能です

機器の複数のオプションにより性能が向上

カラム効率を維持しながら高い線速度を得る方法は、既存の HPLC でも可能です。2 µm 未満の粒子を使用すると背圧が高くなりやすいですが、これはカラムを短くすることで補正が可能です。長さ 50 mm 以下の多くの ZORBAX ラピッドレゾリューションハイスループット (RRHT) カラムは、一般的な HPLC システムで使用できます。

特に 100 mm を超える長さのカラムが必要な分析で最高の性能を実現するには、Agilent 1200 シリーズラピッドレゾルーション LC (RRLC) システムAgilent 1290 Infinity LC システムなどの超高速液体クロマトグラフィ (UHPLC) の使用が最適です。これら高度のソリューションは、システムボリュームを削減し、高い背圧に耐えることができます。さらに、いずれのシステムでも、迅速なデータ取り込みによりダイオードアレイ検出機能が向上しているため、狭い (1/2 秒) 幅のピークで十分な数のデータポイントが確実に収集されます。

2 µm 未満の粒子を使用した Agilent ZORBAX RRHT カラムは、1200 シリーズ RRLC システムの圧力限界に相当する 600 bar まで使用出来ます。1290 Infinity LC とともに導入された Agilent ZORBAX ラピッドレゾルーション HD (RRHD) カラムは、このシステムの圧力限界である 1200 bar まで使用出来ます。

従来のクロマトグラフィを実行し、分析速度を大幅に上げる必要がある場合は、小さい粒子を使用したカラムへの変更を検討してください。5 µm の粒子が充てんされた長いカラムで開発したメソッドを、2 µm 未満の粒子の短いカラムに移す場合は、アジレントの LC メソッドトランスレータソフトウェアを参照してください。