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アジレントの高性能マイクロアレイスキャナがさらに向上

アジレントはマイクロアレイのスキャンビジネスに 10年以上携わっています。1997年、アジレントは Affymetrix の技術パワーをアジレントのスキャナ、次に HP、GeneArray のスキャナで引き出しました。2001年には、アジレントのマイクロアレイプラットフォーム用に感度を上昇させた次世代スキャナを発売し、2002年にはアジレント製以外のスライドでの性能を向上させました。
今回、アジレントでは来たるべき、さらに高密度なマイクロアレイの出現に備えて、高分解能スキャン能力の導入を行い、マイクロアレイスキャナを進化させました。

主要技術

高分解能スキャン

左の画像は、30μm のスポットアレイの領域を分解能 5μm でスキャンしたものです。右の画像は、アレイの同じ領域をアジレントの新製品の高分解能スキャナにより分解能 2μm でスキャンしたものです。画像品質が向上していることに着目してください。

上の図に示すように、画像分析に使用できるピクセル数は、スポットサイズが小さくなるにつれて劇的に減少します。スキャンの分解能を上昇させることにより、分析に使用できるピクセル数が増加します。

業界初のダイナミックオートフォーカス

最高の技術力を持つガラス製造会社でも、反り、湾曲、または厚さの変化がないスライドガラスを製造することはできません。これらのガラスの変化はすべて、マイクロアレイスキャナで使用されるレーザーのフォーカスのキャリブレーション時に問題になります。多くの製造会社が 1点フォーカスのレーザーのキャリブレーションを組み込んでいますが、これはスライドガラスの一部分にのみ対応し、スライド全体にわたる変動は補償されません。

アジレントは、マイクロアレイの分析からこの変動要素を取り除く優れた手法を開発しました。アジレントのダイナミックオートフォーカス機能は焦点面を継続的に調整し、一般的なガラス面の異常、勾配、およびスキャナ内でのスライドの移動を補正することにより、感度を向上させています。

このダイナミックオートフォーカス機能は、マイクロアレイのスキャン中に 100万回以上の焦点調整が可能で、各スポットに焦点を合わせます。

拡張ダイナミックレンジ(XDR)と 20 ビットスキャン

拡張ダイナミックレンジ(XDR)

遺伝子発現解析や miRNA の発現プロファイル解析を始めとする多くのアレイアプリケーションにおいて、サンプルのダイナミック・レンジは、従来のスキャナが提供していた 16ビットデータ取り込みの範囲を超過します。これは、スキャナーの設定をアレイ上のスポットの多くが飽和してしまう、高感度にセットするか、低発現遺伝子に対応するスポットの検出を犠牲にして殆どのスポットでの飽和が起こらないように設定するかの選択をユーザに強います。
2006年に、アジレントは、装置に拡張ダイナミック・レンジ(XDR)モードを導入することでこのジレンマを解決しました。XDRモードにおいては、最も高感度なPMTセッティングでのスキャンと、より低いPMTセッティングでのスキャンの2回のスキャンをを行ないます。その後、アジレントの Feature Extraction ソフトウェアがこれら 2つのデータを統合します。(この作業に際し、Feature Extraction ソフトウェアはデータに一貫性があるかをオーバーラップ領域のデータを比較して確認し、不一致が見られる場合にはそれをレポートします。)
XDR モードの導入により、ダイナミックレンジが 10~20倍拡大するのでマイクロアレイからより生体サンプルのダイナミック・レンジに近いデータを得ることが出来るようになりました。

20 ビットスキャン

高分解能スキャナの導入とともにアジレントは XDR スキャンをさらに改良し、1回のスキャンのダイナミックレンジを 16ビットから 20ビットに増加しました。これにより、1回のスキャンで XDR スキャンと同じダイナミックレンジが実現されます。これまでの 16ビットスキャンではカウント数 65535で飽和していましたが、新しい飽和値はその 12倍でカウント数 780,000以上です。

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