臨床研究サンプルの RapidFire 分析

1 サンプルあたり 10 秒未満で複数のベンゾジアゼピンを多重分析

RapidFire ハイスループット MS システムは、リソースを最大限に活用し、分析のプロセス時間を短縮するために、HTS および ADMET プログラムのラボで広く利用されています。それだけでなく、RapidFire は、血液、血漿、尿、食品、農薬を分析する法医中毒学やその他の臨床プログラムにおいても、有望なツールとなります。

たとえば、最近の臨床研究アプリケーションノートでは、RapidFire 技術と飛行時間型質量分析を組み合わせる事で、10 秒未満でベンゾジアゼピン群を網羅的に分析可能な事が示されています。この研究では、RapidFire のデータ(多重分析の場合でも単一分析の場合でも) は LC-MS/MS メソッドとの相関性がきわめて高く、同様の結果を 10 倍のスピードで得られることも示されています。

ベンゾジアゼピン

ベンゾジアゼピンの検出は、重要ですが困難を伴います。ベンゾジアゼピンは極めてよく代謝され、尿サンプルでは親化合物を簡単に検出できません。ベンゾジアゼピン検出の一般的なアプローチとしては、労力のかかる複数ステップのプロセスが用いられています。免疫測定ベースのスクリーニングアッセイメソッドに続き、必要に応じて、クロマトグラフィーベースの測定(GC/MS、HPLC、LC/MS など)により、確認と定量をおこないます。しかし、複数のベンゾジアゼピンを同時に検出および定量する場合には、極性などの生化学的特性が多様であるため、クロマトグラフィ分離は困難になります。

この研究では、RapidFire の使用により、尿サンプルに含まれる 9 種類のベンゾジアゼピンすべてを、1 回の分析で、正確かつ同時に分析することができました。データ採取時間は 9.5 秒でした。

詳細や各研究アプリケーションにおける可能性については、アジレントにお問い合わせください。

ここで紹介した情報は、研究目的での使用のみを意図したもので、診断目的には使用できません。