ZORBAX RPカラム選択


ZORBAX逆相HPLCカラム選択フローチャート

低分子と高分子のために
ほとんどのクロマトグラフィ分析ラボは、主要な分析テクニックの1つとして、逆相HPLCを利用しています。逆相HPLCは、イオン性物質や非イオン性物質の分析にも用いられます。そのため、このZORBAXカラム選択フローチャートでは、逆相カラムに重点を置いています。以下の概要に従えば、低分子や高分子のメソッド開発に適した逆相カラムをより簡単に選択することができます。
このフローチャートでは、低分子の分析やタンパク質、ペプチドサンプル用のメソッド開発に最初に使用するカラムを選定するための情報を提供するとともに、カラムの化学結合相構成を決定するための必要事項についても解説します。

低分子
MW < 2000

高分子
MW > 2000

80-120Å
充填剤ポアサイズ
300Å

まず最初に分析の対象となる分子の大きさに合わせて充填剤のポアサイズを選択します。一般的な低分子はポアサイズ80-120Åの標準的な充填剤で容易に拡散しますが、ペプチドやタンパク質は拡散しないことがあります。そのため、ペプチドやタンパク質のアイソクラティック/グラジエント分離ではポアサイズ300Åの充填剤(300SB)の使用をお奨めします。

Eclipse Plus C18
最初の化学結合相
StableBond 300SB-C18

最初に選択するカラム結合相としては殆どのサンプルに適応できるC18をお奨めします。この結合相の利点は中程度にイオン化する化合物からイオン化しない化合物の保持時間が最も長くなることです。C18相では分離を最適化できない場合や分子量の大きいタンパク質を分析したい場合にはよりアルキル鎖長の短い固定相のを検討してください。

4.6 mm
カラム内径
4.6 mm

カラムにどれだけの検体量(質量)を注入できるかは、カラム内径により決まります。内径が小さいほど良好なピーク形状を維持でき、検体注入量が少なくてすみます。さらに、感度は内径の小さなカラムほど向上しますから、LC/MSやサンプル量に制限のあるアプリケーションでは内径の小さなカラムが主に使用されます。

カラムの
種類
内径
(mm)
サンプル負荷量
(概略値)
標準流量
感度
向上
アプリケーション
分析 4.6 0.1-1.5 mg 0.5-3mL/min 標準的な分離
ソルベント
セーバ
3.0 150-500 ug 0.3-1.5mL/min + 標準的なHPLC装置を使用して溶媒使用量を節約
ナローボア 2.1 50-120 ug 0.1-0.5 mL/min ++ 高感度、サンプル量が少ない場合やLC/MS、溶媒使用量を節約
ミクロボア 1.0 10-50 ug 10-100 µL/min ++++ 高感度、サンプル量が少ない場合やLC/MS
キャピラリ 0.5, 0.3 1-10 ug 1-15 µL/min +++++ 非常に高感度、LC/MS、ペプチドやタンパク分析
ナノ 0.1, 0.075 100-200 ng 200-500 nL/min ++++++ 非常に高感度、LC/MS、ペプチドやタンパク分析
セミ分取 9.4 1-10 mg 5-10 mL/min mgレベルの分取用分離
分取 21.2 20-250 mg 20-60 mL/min 数百ミリグラム~1グラムレベルの分取
低分子
MW < 2000
高分子
MW > 2000
5 µm
標準的な多孔粒子サイズ
5 µm

通常の低分子や高分子の分析では、標準的な粒子サイズは5 µmです。しかし、これよりも小さな粒子サイズも用意されており、これらを使用するとさらに高い効率と分離能が高くなります。小さな粒子サイズは、より短いカラム長で提供されています。

高速分析用粒子サイズ
Rapid Resolution 3.5 µm
Rapid Resolution HT 1.8 µm

粒径3.5µmのRapid Resolution(迅速分析)カラムは、粒径5µmカラムと比較して60%高い効率を持ち、粒径1.8µmのRapid Resolution HT(RRHT)カラムでは効率が200%高くなります。さらに、短いカラムを使用すれば、低分子の分析時間を大幅に短縮することができます。
Rapid Resolution 3.5 µm
Poroshell 5 µm

ペプチド分析の場合は、粒子サイズ3.5µmのRapid Resolutionを使用することにより短いカラムで高速および高分解能のグラジエント分析が可能になります。一方、タンパク質分析の場合は、ソリッドコアと多孔質外殻を持つPoroshellカラムを使用した場合に超高速な分析が可能になります。
150 mm
カラム長
150 mm
5µm粒子で高分解能分離を行うときの標準的なカラム長は150mmまたは250mmです。これらのカラムを使用すると分析時間は20-30分程度で終了しますから標準的な分析を検討する場合のよいスターティングポイントになります。高速分析を希望する場合はより短いカラム(75mm、50mm)とより小さな粒径(3.5µm)を使用する必要があります。 タンパク質やペプチドの消化物の場合は150mmカラムからスタートするのも良い方法です。この長さのカラムを使用して高分解能分析を行うときの標準的なグラジエント時間は30-60分です。高速分析を希望する場合はより短いカラム(50mm)とより小さな粒径(3.5µm)、を使用する必要があります。
最初に使用するカラムの選択肢
低分子
高分子

標準分析

Eclipse Plus C18
4.6 x 150 mm、5 µm
PN 959993-902

高速分析

Rapid Resolution
Eclipse Plus C18

4.6 x 75 mm、3.5 µm
PN 959933-902

Rapid Resolution HT
Eclipse Plus C18

4.6 x 50 mm、1.8 µm
PN 959941-902

標準分析

300SB-C18
4.6 x 150 mm、5 µm
PN 883995-902

高速分析

Rapid Resolution
300SB-C18

4.6 x 50 mm、3.5 µm
PN 865973-902

Poroshell
300SB-C18

2.1 x 75 mm、5 µm
PN 660750-902

その他のメソッド開発ガイドラインについては、低pHから高pHまでのメソッド開発に関するセクションをご覧ください。